【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 銀行対策・銀行融資

あなたも「事業は順調なのに、お金が残らない…」「銀行借入が思うように減っていかない…」「経営判断に基軸がないから、迷ってしまう…」と悩んでいませんか?

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次世代経営者が知っておくべき「節税」と「融資」の関係

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第12話:次世代経営者が知っておくべき「節税」と「融資」の関係

「舘野先生、銀行から資金調達をして新規事業に投資したいのですが、節税もしたいのです。融資と節税の考え方について教えてください。」と、先日、ある友人経営者からご相談を頂きました。

その方は、事業も一定の成功を収め、新規事業への投資を進めながら、一方でご自身の老後資金や万が一の時の家族への保障として、資産管理法人での不動産運用による資産形成も行っている方です。

「節税が先か?」「融資が先か?」「両方同時に出来ないか?」といった趣旨のご相談は非常に多いのですが、このようなご相談を頂く際に、私はこのようなご質問をさせて頂いております。

それは、「社長は、これからお金を増やしていきたいですか?」それとも「社長は、これからお金が減らないよう守っていきたいですか?」とお伺いしています。

「お金を増やしていきたいです。」とお答えになる方については、「融資対策を優先して、節税は資金流出を伴わないものに限定したほうがいいですよ。」とお答えし、「お金が減らないよう守っていきたい。」とお答えになる方については、「節税対策を優先してはどうですか。」とお伝えするようにしています。

といいますのも、節税と融資というものは、例えるならば水と油・・・とまではいきませんが、全くもって真逆の行動だからです。

節税対策というと、多くの人はお金を支払って、「交際費を使おう」「備品を増やそう」「車を買おう」と、税金を少なくするというイメージをお持ちだと思います。 

節税対策といっても資金流出を伴うもの(お金を支払って対策するもの)と、資金流出を伴わないもの(お金を支払わないで対策するもの)があり、世の中で広く一般的に言われている節税というのは、資金流出を伴うものであり、こちらのほうが大多数になります。

つまり、費用を増やして利益が減った結果税金も減るという流れになりますので、その税金を減らすために資金が減り、結果として純資産も目減りする・・・という構造になってしまうのです。もちろん、資金流出が伴わない節税対策もありますが、こちらは税法の仕組みを熟知した上での対策になるため、その道のプロのサポートを受けるのが近道になります。

一方で、金融機関による融資審査の大原則は、「貸したお金が返ってくるのか?」という点が最大のポイントになってきます。バブルの時代は、担保が優先されましたが、バブル崩壊後は「まずは返済ありき」なのです。ですから、融資申し込みの際は、様々な視点で貸したお金がきちんと帰ってくるのかを融資担当者は一生懸命にチェックしますし、企業側としても「必ず返せます」ということを、誠心誠意アピールしなければなりません。

融資担当者の目線になって考えてみればわかると思いますが、「事業も安定していて将来性もあり、手元資金も潤沢な会社」と「事業は安定していて将来性はあるが、手元資金が少ない会社」があったとしたら、どちらに融資をしたいと思いますか?

「銀行は、お金のないところにお金を貸すのが仕事だろう」・・・と思われるかもしれませんが、金融機関もあくまで事業として企業にお金を貸し、その利息で収益を上げています。

ですから、できる限りローリスクな貸出先に融資したいと考えるのです。会社経営者であれば、確実に売掛金を支払ってくれる会社と、もしかしたら売掛金を支払ってくれないかもしれない会社があったとしたら、よっぽどの理由がない限り確実に売掛金を支払ってくれる会社と取引をしようとするはずです。

そして、その金利も「リスク」に応じた設定になってきますから、金融機関からみて優良な貸出先であれば低金利の融資条件が引き出しやすくなりますし、逆に少し問題がある貸出先とみなされれば、高い金利での融資でないと取り合ってもらえない・・・という状況に陥ってしまうのです。なぜなら、金融機関は「返済してもらえるかどうか?」を最優先で考えているからです。

以前、ある年配の経営者から、「一時期経営が苦しい時があって、取引先の人に代金の支払いを遅らせてもらったり値引きを頼んだりして応じてもらえたけど、銀行にも同様に金利を低くしてもらえないかと頼んだら、逆に、引き上げられそうになってしまった。」というなんとも笑うに笑えないお話を聞いたことがありますが、金融機関の考え方や融資姿勢を熟知し、担当者との関係構築に長けた経営者であれば、このようなコミュニケーションの取り方ではなく、他のアプローチをとるのが定石と考えるでしょう。

ですが、意外と金融機関との付き合い方を間違えてしまったり、あるいは誤った方法で資金調達をしてしまったりして、後で困ったことになるという事例は枚挙に暇がありません。

かの有名な孫子にも「彼を知り、己を知れば、百戦殆からず」とあります。これは、敵についても味方についても情勢をしっかり把握していれば、幾度戦っても敗れることはないという意味合いです。人間関係でも何でも、相手があるものであれば、どのような場面においても当てはまるかと思いますが、まずは相手を知り、自社(自分)のことを知った上で、初めて良好な関係を築けるというものです。

そして、もう一点、忘れがちな目線があります。それは、「自社(自分)が今どのステージにいるのか?」ということをしっかりと見極めるということです。投資を拡大させたいと考えるのであれば、財務中心の会社づくりを徹底して行い、まずは「金融機関が融資したい」と思う会社づくりを最優先すべきなのです。

そして、資金も潤沢になり、納税額の負担が過大になってきたタイミングで、積極的な節税対策にシフトしていくのが、永続的成功繁栄のための近道なのです。特に、オーナー経営者の場合は、法人と個人がある意味一体ですから、節税対策も、法人税・地方税・所得税・相続税の複数税目を個別で検討するのではなく、あくまでも長期目線で、そしてトータルで考えるべきなのです。

まだまだ金融機関から資金調達をしながら、投資を拡大させたいと願っている段階において、資金流出を伴う過度な節税対策を行ってしまうと、逆に自己資金が目減りして財務状態が悪化し、結果として金融機関側での評価が下がってしまいます。

将来の成長のために資金調達をしようと思っても、金融機関側での融資審査で難色が示されれば、結果として会社としての成長を阻害してしまうことにもつながりかねません。くれぐれもそのような事態に陥らない様、冷静に判断をすべきなのです。

あなたの会社のステージは「融資」優先のステージですか?
 それとも、「節税」優先のステージですか?

ユメリアコンサルティングは、あなたの「事業を通じた夢実現」をダイヤモンド財務コンサルティングでお手伝いします。

ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛

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社長と会社にお金が残る仕組みづくりの専門家

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