【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す経営財務
あなたも「事業は順調なのに、お金が残らない…」「銀行借入が思うように減っていかない…」「経営判断に基軸がないから、迷ってしまう…」と悩んでいませんか?
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賞与支給で失敗する社長の共通点
第277話:賞与支給で失敗する社長の共通点
「舘野先生、冬の賞与を支給したのですが、いつも迷ってしまって、結局今回も『エイヤ!』で決めました。でも、毎回支給した後に、『これで良かったのかなぁ…』ってモヤモヤするんです。」社長に就任して10年目のとある四国地方の2代目社長さんの一言です。
当社は、同族会社と社長の財産管理(お金が残る仕組みづくり)専門機関なので、会社経営にまつわるお金の相談ごとが毎日のように寄せられます。
経営判断の基軸がない社長が陥る間違い
これまで多くの社長さん方に対して、「お金の使い方」「お金の残し方」についてお伝えしておりますが、その中でも、賞与の時期になると、多くの社長さんから「どうやって決めたらいいのか分からない…」「ウチの会社は毎年同じように支給しているけど、これでいいのか…」など、多くのご相談をいただきます。
賞与は、社員さんにとって待ちに待った一大イベントですから、社長としては、できる限り多くの賞与を支払ってあげたい…そう考えるのは、当然のことです。賞与自体を否定するつもりはありませんし、財務的な目線で考えて許容できるのなら、好きなだけお支払いすればいい…と個人的には思います。
なぜなら、賞与は、結果を出したことに対する「ご褒美」だからです。
しかし、絶対にこれだけはやってはいけないということがあります。それは、社長自身が自社の財務状態を正しく理解しないで、感覚的に支払ってしまうということです。
感覚的に賞与を支給するということは、最終的な決算の着地が成り行きまかせになってしまいますし、「なぜ、その賞与を支給するのか?」の説明自体がつかなくなってしまうからです。
社員数が多い会社であれば、人事評価制度を構築して運用するという方法もありますが、中小規模の会社であれば、人事評価制度を構築して運用するのが難しいケースもあります。そのような場合は、無理に導入するのではなく、社長のオーナーシップで賞与を支給するという方法もあります。
その場合には、社長が賞与の原資はどのぐらいだったら良いかという数字の指標、つまり賞与のファンドを数字で具体的にしておくべきですし、その賞与のファンドを従業員一人一人にどのように配分するのかというルールも明確にしておくべきです。
見栄や世間体だけでは、会社を潰す
ところが、その一方で、「税金がもったいないから、利益が出たら全て従業員に決算賞与で支払う」というお話を伺うことがあります。決算賞与自体は否定しませんが、しっかりと会社にお金を残して、内部留保をすることを考えておかないと、イザという時に資金が回らなくなってしまったり、銀行からお金が借りれない…という事態に陥ってしまいます。
それから、「赤字決算でも、賞与を払わないと風評被害が気になるから無理して払う。」というお話を伺うこともあります。赤字であっても歯を食いしばって社員を大切にする…ということ自体は、なかなかできるものではありません。ある意味、素晴らしいことかもしれません。
しかし、もしそれがただ単に赤字を拡大させるだけで終わっていたとしたら、果たしてそれは、「経営者」として正しい経営判断なのでしょうか。場合によっては、会社の寿命を縮めることに繋がりかねません。それに、そもそもの大前提として、会社が潰れてしまったのでは、元も子もありません。
赤字の内容にもよりますが、赤字決算になりそうだとうことであれば、可能な限りその赤字を拡大させないための方策を最優先すべきです。いずれにせよ、大切なことは、社長自らが数字で自社の財務を理解し、「未来を創るための一手」を、数字で、具体的に考えられるようにしておくことなのです。
ダイヤモンド財務の社長は、黒字決算ありきで賞与を考えます。残したい利益・手元資金から逆算して、賞与ファンドを数字で具体的にします。賞与を社員への「ご褒美」として使いこなすことで、社員のモチベーションアップに繋げます。
ガラス財務の社長は、赤字決算でも黒字決算でも、過去からの延長線上で賞与を払います。賞与が既得権益化されてしまっているため、賞与をもらった社員のモチベーションが上がることはありません。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。もっといえば、会社の未来を創ることです。
あなたは、社長として、会社の未来をつくれていますか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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社長と会社にお金が残る仕組みづくりの専門家
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