【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 銀行対策・銀行融資

当コラムは、「事業は順調なのに、お金が残らない…」「会社のお金の流れがわからない…」「経営判断の基軸になるものがない…」「税金からお金を守りたい…」「銀行対応で失敗したくない…」「無策なままの相続対策を何とかしたい…」このようなお悩みを抱えた同族会社のオーナー社長・2代目社長のための専門コラムです。(毎週水曜日更新)

次世代経営者が知っておくべき借入に対する思考

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第30話:次世代経営者が知っておくべき借入に対する思考

「舘野さん、ウチの会社は、先代社長からシャッキンはダメと言われ続けてきたこともあって、無借金経営でやってきました。ですが、本気で第二創業を考えた時、どうしても金融機関からの借入を避けて通ることは出来ないと思うんです。」先般、経営の舵取りを任されたある三代目社長さんからのご相談です。

無借金経営と聞くと、優良企業の代名詞という響きがしますし、多くの中小企業経営者にとって、無借金経営は憧れなのかもしれません。特に、過去において金融機関から貸し渋りや貸し剥がしなどを受けた経験がある経営者ほど、借入や金融機関との付き合いを極端に避ける傾向にあります。中には、「ウチの会社は無借金経営なんだよ」と声高らかに言ってくる社長さんもいらっしゃいますし、借入金がなければ、金融機関への借入金の返済の心配もなく、担保や保証の心配から解放される・・・そんな想いもあるのかもしれません。

ですが、借入は上手に活用すれば、会社の成長を加速させるエンジンになりますし、金融機関と上手に付き合っていけば、もしもの時の資金繰りを支えてくれる救世主の役割を担ってくれることだってあるのです。ですから、むやみに「無借金経営」にこだわってしまうのは、得策ではないのです。特に、同族会社こそ、借入のチカラを借りて事業を成長させつつ、金融機関との関係を良好に保つ術(スベ)を知っておくべきなのです。

よく、「節税対策は、手段であって目的ではない。」という話をする機会があるのですが、借入に関しても同様で、「無借金経営は、結果であって目的ではない。」のです。あくまでも会社として目指すべき明確な方向性があり、そのためのイチ通過点にしかすぎないのです。そして、その評価の尺度となるのが、財務中心の会社づくりであり、正しい決断を下すための社長専用の経営のモノサシが必要になってくるのです。

例えば、士業やコンサルタント・コーチなどのある意味おひとり様ビジネスを営んでいる場合や、十分な自己資金がある場合には、無借金経営でも、事業として成立するのかもしれません。ですが、そうでない場合は、無借金経営を目標にするのは、むしろ事業を尻すぼみにする発想であり、自らの手で、自らの会社を危険にさらしているようなものなのです。

サービス業であれば、お客様がいなければ事業として成り立ちません。製造業・建設業などでは、新規設備への投資が欠かせません。売上の源泉となる部分に対する先行投資を戦略としてとらえることが出来なければ、会社を大きく成長発展させることは、到底無理な話です。つまり、社長は、会社を成長させる局面においては、しっかりとした経営計画のもとで、借入を活用すべきなのです。

経営破たんをしたスカイマーク社は、無借金経営だったため、資金繰りを支える金融機関がなかったと報道されています。

金融機関側からしてみれば、今まで貸したことのない会社に貸すことほど怖いものはありませんし、会社の経営が悪くなってから「助けてくれ」と言われても助けようがないのが本音なのです。ですから、中小企業、特に同族会社のオーナー社長は、日頃から金融機関との付き合いを良好にしておく必要がありますし、金融機関の融資姿勢や支店・担当者に左右されないように、できる限り選択肢を増やす努力をしておかなければならないのです。

現預金があれば、どんな時も選べる選択肢が多くなります。ですが、現預金がなければ、選べる選択肢が少なくなってしまいます。それを避けるために、上手くいっている経営者ほど「時間を買う」という発想で、商品を仕入れるように、金融機関から資金を「仕入れる」ようと考えるのです。

ただし、そうはいっても、使うアテのない余剰資金を借りるのは、会社経営の目を曇らせるものであり得策ではありません。あくまでも、明確な使途があり、その投資が会社の将来の成長に繋がるものであれば、綿密な経営計画を用意した上で、社長は借入を戦略的に活用して勝ちを取りにいく・・・という発想を持つべきなのです。

逆に、金融機関から「貸せない」と言われた場合は、その理由を真摯に受け止めて、どうしたら金融機関が「融資させてください」といってくる会社づくりができるのかを考え抜かなければならないのです。そして、金融機関が「貸したい」と思う会社づくりをするとともに、その「貸したい」と言ってくれる金融機関を増やしていくという戦略的思考が必要なのです。

あなたの会社は、いつでも新規事業投資できる状態ですか?
どんなことがあっても、応援してくれる金融機関はありますか?

 

ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛

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