【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 銀行対策・銀行融資

当コラムは、「事業は順調なはずなのに、なぜかお金が残らない」「節税して税金から『会社』と『財産』を守りたい」「銀行対応で失敗したくない。借金を減らしたい」「無策なままの事業承継・相続対策。将来が不安」とお考えの同族会社のオーナー社長・二代目社長向けのコラムです。
「お金を残す財務」「節税対策・税金対策」「銀行対策・銀行融資」「事業承継・相続対策」に関する気づきやヒント、エールをお伝えします。(毎週水曜日更新)

間違った借入依存思考の落とし穴

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第61話:間違った借入依存思考の落とし穴

「舘野さん、ウチの会社は黒字経営なのに、実はいつも資金繰りが苦しくって・・・。月末になると資金ショートしないかヒヤヒヤしています。先日も、とある銀行からの飛び込み営業を受けまして、資金調達先は多ければ多いほどいいと思い、即決で融資を受けました。」とあるオーナー社長さんからのご相談です。

今はアベノミクスの影響もあって金融機関の融資姿勢も積極的ですし、金融機関同士は熾烈な融資シェア争いの中、如何に自行の融資先を拡大するかについて日夜、腐心しています。

最近では、報道のとおり、金融庁の後押しもあって金融機関同士の再編も加速してきています。2016年4月には、横浜銀行と東日本銀行は、新設する共同持株会社「コンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)」の傘下に2行が入る形で経営統合をし、都内の営業拠点を5割増やす計画を掲げていますし、2016年10月には、総資産で地銀7位の常陽銀行と同19位の足利銀行を抱える足利ホールディングス(HD)が、持株会社の下に2行がぶら下がる形で経営統合する旨の発表がされ、全国3位の広域地銀が生まれる予定になっています。

さらには、2017年度には、東京TYフィナンシャルグループは、傘下の東京都民銀行と八千代銀行、新銀行東京(2016年4月に同グループ入りする予定)の3行を、合併させる方向で最終調整に入ったとの報道もなされています。

地銀の再編の流れはますます加速しており、再編の形式も従来主流だった持株会社方式だけでなく、相乗効果を高めるための合併を選択するケースも出てきました。これは、融資シェアを拡大させるだけでなく、経営効率を高めることによって熾烈な生き残り競争を何としてでも勝ち抜きたいという強い意志の表れともいえるのではないでしょうか。

中小企業のメインバンクといえば、やはり地域密着型の地銀さんになってきますから、自社の取引のある金融機関が、今後、どのような経営の舵取りをしていくのか・・・社長にとって、銀行はお金の仕入先ですからしっかりと目を光らせていかなければなりません。

なぜなら、赤字になっても会社は潰れませんが、資金ショートしたら会社は潰れてしまうからです。よって、いつでもどんな時でも安定的に資金供給できる金融機関とのパイプ作りは、社長の実務なのです。「融資する側のしくみ」を知っている社長と知らない社長とでは、まさに天と地ほどの差があるといっても過言ではないのです。

しかしながら、だからといって何でもかんでも借りれるお金は借りれば良いという話ではありません。以前お目にかかった社長さんの中で、「銀行から借りたお金はもらったものと考えればいいんだよ」という豪快(?)なことをおっしゃる方もいらっしゃいましたが、当たり前ですが借りたお金はいずれ返さなければなりません。

借入依存症の社長に共通するのは、「なぜ、自社の資金が枯渇してしまうのか?」について、その原因を正しく理解していないということです。中には、自社の資金繰りが苦しくなってしまう根本原因を正しく理解することから逃げ、何度も何度も同じことを繰り返している社長もいます。

そのような借入依存症の社長に共通することは、「とりあえず銀行からは、借りられるだけ借りておけばよい」と考え、自社の資金繰りが苦しくなってしまう根本原因はさておき、如何に金融機関から融資を引っ張るかということばかりに注力してしまうのです。万が一運よく資金調達が上手くいったとしても、課題の根本原因から逃げていたのであればいずれ資金が枯渇してしまうことは自明の理なのです。社長にとって資金不足が恐怖であることも、会社を守るために出来るだけ資金を手元に持っておきたいという気持ちもよくわかりますし、それを決して否定しているわけでもありません。ですが、いつまでたっても場当たり的な資金調達を繰り返していては、一時的な安堵感は得られても、永続的成長発展は夢のまた夢となってしまいます。

「なぜ資金繰りが逼迫してしまうのか?」
「自社の経営課題の根本原因は何なのか?」
「課題解決のために、どのような打ち手を社長として打つのか?」
「自社の借入は、適正なレベルにあるのか?」
「シャッキンの返済計画に問題はないのか?」

誤解のないようあえて言わせて頂くのであれば、借入そのものは決して悪いものではありません。自己資金を貯めるまでの時間を買うことが出来ますし、成長を加速するエンジンのようなものなので、企業経営においては必要不可欠な経営資源です。逆に、無借金経営と聞くと聞こえは良いですが、それはあくまでも結果であって、目的にしてしまったのでは、事業は尻すぼみになってしまいます。

将来の成功のタネをまくには、戦略的に先行投資を行い、そのために借入は上手に活用すべきなのです。問題は、何が原因かよくわからないけど資金的に不安だからなんとなく金融機関にいわれるがまま資金調達を場当たり的に繰り返すことにあるのです。

金利も返済期間も、本来は社長が決めるべきことなのです。なぜなら、そのお金を返すのも会社ですし、そのお金を返すための返済原資を将来にわたって稼ぐのも会社であり、社長の意志によるからです。

あなたは社長として、借入が必要となる根本原因を正しく理解していますか?
あなたの会社の資金調達は、自社の成長を加速する適正なものですか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛

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