【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 銀行対策・銀行融資

当コラムは、「事業は順調なはずなのに、なぜかお金が残らない」「節税して税金から『会社』と『財産』を守りたい」「銀行対応で失敗したくない。借金を減らしたい」「無策なままの事業承継・相続対策。将来が不安」とお考えの同族会社のオーナー社長・二代目社長向けのコラムです。
「お金を残す財務」「節税対策・税金対策」「銀行対策・銀行融資」「事業承継・相続対策」に関する気づきやヒント、エールをお伝えします。(毎週水曜日更新)

安易な戦術的資金調達に潜む落とし穴

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第65話:安易な戦術的資金調達に潜む落とし穴

「舘野さん、いや~ウチの会社はね、資金繰りさえ心配ない状況が手に入れば、後は何とかなるんですよ。だからいい金融機関を紹介してもらえませんかね?」・・・ある知人の紹介でお見えになられた、とある製造業の二代目社長さんの一言です。

当社は、舘野が直接コンサルティングをさせて頂くという独自のスタイルをとっておりますので、物理的に、必然的に、ご支援できる企業数が限られてきます。現在では、月20社迄とさせて頂いておりますし、「ダイヤモンド財務®化コンサルティングプログラム」がスタートしたその時から、全12回のスケジュールを「毎月第一火曜日」とか「毎月第三水曜日」といった具合に予定しています。

したがって、スポットコンサルティングに関しては、「セミナーを受講頂いた方」か「コンサルティングをお受け頂いた方」のみに限定させて頂いているのですが、紹介者の知人の方があまりにも熱心なご様子だったので、少しだけお話を伺うことにしました。

早速お話を伺ってみると、
「今はたまたま調子が悪いだけ。いずれきっと良くなるはず・・・。」
「どんな手段を使ってでも、銀行から融資を引っ張ればいい・・・。」
「とりあえず売上さえ増えれば、潰れない会社になるはずだ・・・。」
このような言葉が次から次へと矢継ぎ早に出てきたのです。

多くの社長は、「売上をつくる能力」と「お金を残す能力」は同じ能力と考えます。
ですが、それは大きな間違いであり、会社の命運を分ける大変な勘違いであるということを知っておくべきなのです。この事実に気が付いた社長とそうでない社長とでは、待ち受ける未来が「天」と「地」ほどの差になるといっても過言ではないのです。

例えば、資金調達ひとつをとっても、財務中心の会社づくりが出来ている会社と、そうでない会社とでは、その意思決定のプロセスが大きく異なってきます。

財務中心の会社づくりを行っている会社は、財務を戦略レベルで考えます。簡単に言うと戦略とは「何をやるか?(What)」ですが、資金を増やすために自社が取り得る経営の選択肢、社長が下すべき経営判断の打ち手は何なのかを考えます。

財務中心の会社づくりが出来ている会社は、金融機関からの借り入れという側面だけでなく、現状の資金繰りや各種支払サイト、在庫の滞留状態や固定資産の状況、設備投資の適正性等含めた大きな視点での経営判断を行います。長期的・根本的・大局的な視野で、銀行にお金を借りる前に自社が何をなすべきなのかを考えるのです。

ですが、財務戦略を持っていない会社の場合、資金調達を戦術レベルで解決しようと考えます。簡単に言うと戦術とは「どうやるか?(How)」ですが、具体的には、如何に多くの金額を銀行から借りて返すかだけに終始してしまうのです。しかしながら、金融機関からの借入は、本来、自己資金を貯めるまでの「時間」を買うためのものであり、成長を加速させるものです。ですから、そこには当然、勝つための戦略があって然りなのです。

万が一、何ら勝つための戦略もなく、単なるその場しのぎの資金調達であれば、その借入自体疑問視すべきなのです。特に、間違った資金調達を繰り返している会社は、常に借入の理由、すなわち借入のための大義名分を探し出しては、やっとの思いでお金を借りてすぐに他の借入の返済に回す・・・。ただただ、借入と返済をクルクルと、何度も、何度も、繰り返すことになってしまうのです。

特に、売上至上主義の社長は、案件受注には興味があるけれど、個々の案件の採算性や自社の経営効率・資金の回転速度など、会社の成長を加速させるための経営判断に必要な情報には興味がないといった傾向にあります。その結果、売上規模拡大のための安易な資金調達を繰り返した結果、益々自社の財務状況を悪化させてしまうのです。

会社経営は、お客様がいて初めて成り立つものですから、売上を創造することは当然ながら大切なことです。しかしながら、社長の仕事はそれだけではありません。社長にとって最も重要な仕事は、「会社の未来を創ること」です。足元の業務や資金調達だけに追われ、会社の未来をつくるという気持ちがなければ、いずれ経営は立ち行かなくなってしまいます。

経営が苦しくなってきたり、会社が潰れてしまったりするのには、必ず「原因」があります。そして、その原因というのは、明確に数値情報として自社の決算書に表れているのです。

安易な資金調達に走る多くの社長は、「会社のお金のことは経理担当者に任せているから大丈夫」「きっと顧問税理士が見てくれているはずだ」「数字が苦手だから・・・」と自社の置かれている状況から目を逸らし、逃げる傾向にあります。しかし、最も大切なことは、社長自らが、自社の置かれている状況に正しく立ち向かうことなのです。

どんなに辛く厳しい状況にあっても、どんなに心を痛める苦渋の決断を迫られても、勇気を持って事に当たらなければなりません。会社経営は、オベンキョウが一切通用しない大変厳しいものだからこそ、真実から逃げないホンモノの勇気が必要なのです。

あなたの会社には、自社の状況を正しく映す社長専用のモノサシがありますか?
あなたは、どんな時でも、勇気を持って正しい経営判断を下せていますか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛

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