【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 銀行対策・銀行融資

当コラムは、「事業は順調なはずなのに、なぜかお金が残らない」「節税して税金から『会社』と『財産』を守りたい」「銀行対応で失敗したくない。借金を減らしたい」「無策なままの事業承継・相続対策。将来が不安」とお考えの同族会社のオーナー社長・二代目社長向けのコラムです。
「お金を残す会社財務」「節税対策・税金対策」「銀行対策・銀行融資」「事業承継・相続対策」に関する気づきやヒント、エールをお伝えします。(毎週水曜日更新)

多くの後継社長が陥る事業承継の落とし穴

第125話:多くの後継社長が陥る事業承継の落とし穴

「舘野さん、いよいよ今年中に社長に就任することが決まりました。そこで、オヤジに退職金を支払いたいと思っています。でも、あんまりたくさん退職金を払ってしまうと大赤字になっちゃうし、金融機関の目も気になるし・・・。」このたび、めでたく今年社長に就任されることが決まった、近畿地方の二代目社長さんからのご相談です。

今はまさに「社長の大交代期」ともいえる時期で、多くの同族企業では、「親」から「子」への経営のバトンタッチが進んでいます。先般、帝国データバンクが発表した「全国社長分析」によると、2015年末時点の全国の社長の平均年齢は、「59.2歳」ということで、現役社長の高齢化は進んでいるものの、その一方で、事業承継の準備を着々と進めてきた会社は、しっかりと次世代経営者へ経営のタスキ繋いでいるものです。

なぜこのようなことが言えるかというと、当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関ですので、全国各地から事業承継を見据えた後継社長がご相談にお見えになられます。そんなこともあって、退職金のことや株式の承継、金融機関への対応のことなど、様々な視点から「上手くいく事業承継」のためにご相談が寄せられるのです。

ここで、まず知っておかなければならないことは、「上手くいく事業承継」のためには、絶対的な手順と見落としてはいけない幾多のチェックポイントが存在するということです。したがって、将来に向かって、「儲かって、潰れない」「利益を出して、お金が残る」強い財務体質の会社を目指すのであれば、絶対に事業承継で失敗しないよう、時間をかけてじっくりと準備を進めることが重要です。

たとえば、こと退職金の支給ともなると、「できることならたくさん貰いたいと願っている親」と「たくさん払ってしまって大丈夫なのかと心配する子」の両者の心情が複雑に絡み合ってきます。それに、高額退職金の支給にあたっても、税務上見落としてはいけないチェックポイントが複数存在します。

したがって、付け焼刃の知識や、聞きかじりの内容で見切り発車をしてしまったりすると、後々手痛いしっぺ返しが待ち受けているのです。よって、本気で社長と会社にお金が残る仕組みづくりをしたいと願うのであれば、事業承継においても、最低でも半年から1年以上の時間をかけて進めていかなければならないのです。

特に、同族会社の多くは、「株式が分散してしまっている」という大変悩ましい問題も抱えています。

よくあるケースとしては、株主名簿を見てみても知らない人の名前が載っていたり、あるいは、事業に関連しない親戚が株式を持っていたり・・・。普段、会社経営をしていく上では表面化されてこないものなので、気にも留めていないことではありますが、ところがイザというときに「争族」の火種になりやすいのが、この株式の問題なのです。

さらに、多くの同族会社は、過去からの内部留保の蓄積で株価が高額になってしまっていて、後継社長が買い取ろうと考えても安易に手を出せないような状況に陥っていることがあります。したがって、高額な役員退職金を支給して株価を圧縮し、そのタイミングで後継者一人に株式を集約するという手段は、まさに千載一遇の大チャンスなのです。

「金融機関の目が気になるから赤字にしたくない」と考える人もいますが、財務が健全な会社であれば、むしろ銀行の方から「社長の退職金の資金を融資させてください。」とか、あるいは、「株式の買い取り資金を融資させてください。」と持ち掛けられるものです。それに、役員退職金は特別損失ですから、「特別損失」の意味を真に理解していれば、取るに足らない話なのです。

したがって、ここで社長が本当に気にしなければならないことは、「金融機関の目」ではないのです。むしろ、「将来に向かって長く付き合える金融機関」を後継社長自身が見定め、あるいは、時には開拓するぐらいのつもりで考えておくべきなのです。

事業承継のタイミングで重要なことは、後継社長である社長にいかに経営権を集中させ、「争族」を防ぐための対策を事前にどれだけ打てるかにあります。そして、これは悩ましいことに、時間が経てばたつほど選択肢が少なくなり、難易度も上がっていく傾向にあるのです。だからこそ、できるかぎり早期に、後継社長一人に株式を集約できるような仕組みづくりをすべきなのです。

あなたは、根本的・長期的な視点で事業承継の準備ができていますか?
財務中心の会社づくりで、真にお金が残る仕組みづくりをしてみませんか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛

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