【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す財務

当コラムは、「事業は順調なはずなのに、なぜかお金が残らない」「節税して税金から『会社』と『財産』を守りたい」「銀行対応で失敗したくない。借金を減らしたい」「無策なままの事業承継・相続対策。将来が不安」とお考えの同族会社のオーナー社長・二代目社長向けのコラムです。
「お金を残す財務」「節税対策・税金対策」「銀行対策・銀行融資」「事業承継・相続対策」に関する気づきやヒント、エールをお伝えします。(毎週水曜日更新)

経営が苦しくなる会社の共通点

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第77話:経営が苦しくなる会社の共通点

「舘野さん、ウチの会社はいまだに月次決算に1ヶ月かかっています。経理担当者だってちゃんといるのに、なんでこんな時間がかかってしまうのか全く理解できません。」これから先代社長から経営の承継を受ける予定の、ある東北地方の二代目社長さんからのご相談です。

よく「月次決算のスピードは、会社の業績に反映される」といいます。

どうゆう意味かというと、月次決算が締まるのが早い会社は業績が良い会社が多く、逆に、業績が苦しい会社は、月次決算が締まるのが遅いということです。

私の過去の経験上からしても、再生企業の9割以上は、月次決算に1ヶ月以上かかっていましたので、あながち的外れな話でもありませんし、実際問題として月次決算のスピードと会社の業績の関係性は、非常に関連が深いものなのです。

財務中心の会社づくりができている会社は、たとえ、どんなに経理担当などのバックオフィスの人員数が少なくても、タイムリーで正確な月次決算が、常に滞りなく実施出来ていて、社長も「正しい経営判断を下すための社長専用のモノサシ」を持っています。ですから、日々の経営判断もスムーズに行うことが出来るような体制になっているのです。

その結果、長期的・複合的・根本的な視点で、客観的な数字を元に、経営判断を下すことが出来るのです。そして、経営のスピードそのものが加速していきますから、「儲かって潰れない」「利益を出してお金残る」強い財務体質の会社づくりを実現することが可能となるわけです。

しかし、その一方で、「いつまで経ってもなかなか決められない」とか、「何を判断の基軸にしたら良いのかがわからない」といった社長も多く存在します。気が付くと短期的・局所的・表面的な視点で、対処療法的な経営判断を繰り返してしまっているのです。

そのような社長にお話を伺うと、多くの場合、「月次決算が遅い」とか「数字をどのように判断したらいいのかがわからない」といった話になります。月次決算が遅々として進まないのには、様々な要因が複雑に絡み合っているケースが大半なのですが、多くの場合、経理担当者の問題で片づけられてしまうことがあります。しかし、本当の解決策はそこには存在しないのです。実際のところは、経理担当者以外のところに問題が潜んでいるものなのです。

例えば、取引先から送られてくる請求書が届くのが遅かったり、社内に経費精算をなかなか行わない役員や営業スタッフがいたり、そもそも無駄な手作業が多すぎて非効率的な事務処理が慢性化していたり・・・。様々な要因が積み重なって、そのシワ寄せが経理担当者にきている、そんなケースがほとんどなのです。

社長自身が会社のお金の流れを数字で理解しようと努力している会社は、月次決算に1ヶ月かかるという事態を問題視します。そして、その状況を何とかして脱しようと、月次決算が遅れてしまう原因を究明し、月次決算を早期化するための方策を打っていきます。

時には、事務処理の流れやお金の流れを変えたり、場合によっては業務基幹システムの見直しなども必要になってくるかもしれません。特に、創業30年以上経過している会社の経営管理体制は全てにおいて「旧式」というケースもあるため、ある程度の時間と労力はかかります。そして、これらの社内の業務改革の陣頭指揮をとれるのは、社長ただ一人です。

社長自らが財務中心の会社づくりを行い、しっかりとした経営管理体制の仕組みづくりを構築する努力をしている会社だからこそ、タイムリーで正確な月次決算を実現することができて、その結果、良い業績を維持し永続的な成功繁栄に繋げることが可能となるのです。月次決算を単なる数値情報から、「正しい経営判断を下すための社長専用のモノサシ」に昇華させていきます。そして、その視点は、あくまでも「未来」が基軸にあり、「今」を正しく認識することにあるのです。

その一方で、経営に苦しくなる会社の多くは、月次決算を重視せず、決算は年に1回だけ、毎月の管理は預貯金の残高の推移と売上推移だけ・・・程度の差こそあれ、数字を単なる過去情報とだけしかとらえません。月次決算の数字が上がってきたとしても、その数字の真意を本当の意味で経営に落とし込こむという発想が持てないのです。これは、まさに宝の持ち腐れであり、本当にもったいない話です。

大切なことは、月次決算のスピードは、社長の「数字」に対する関心度の強さと経営管理体制のレベルが如実に表れてくる、わかりやすいチェックポイントであるということ・・・この事実を社長自身が自覚することにあります。金融機関の担当者が、日々の雑談の中で、さりげなく月次決算の状況等を聞いてくるのは、なぜでしょうか?それは、社長の数字に対する関心度・理解度を図るためなのです。

あなたの会社の月次決算は、何営業日以内に仕上がりますか?
あなたには、タイムリーで正しい経営判断を下すための「社長専用のモノサシ」がありますか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛

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