【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す経営財務
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お金を残す仕組みを「見える化」する社長の共通点
第101話:お金を残す仕組みを「見える化」する社長の共通点
「舘野先生、ウチの会社は、月次決算の数字がわかるのに1ヶ月以上かかるんです。なんでそんなに時間がかかるのか、理由を経理担当者に聞いてもイイワケばかりで・・・。私が社長に就任する前に、なんとかこの状況を改善したいんです。」1年後に社長就任を控えている、とある東北地方の二代目社長さんの一言です。
セミナーにご参加いただいた方にお話しを伺ったり、あるいは個別にご相談をいただいた際に月次決算の状況を伺ってみると、実に様々な答えが返ってきます。
例えば、「ウチの会社は、5営業日以内に月次決算を終えて、7営業日以内に経営会議で数字を公開しています。」という社長さんもいれば、「大体1ヶ月半ぐらいかかっているみたいで、月次決算が仕上がったタイミングで見せてもらっています。」という社長さんもいらっしゃいます。中には、「月次決算って何ですか?!今のところ、決算は年に1回なのですが・・・。」という社長さんもいらっしゃいます。
月次決算というコトバ自体はなんとな~く聞いたことがあるけれども、具体的にどのようなものなのかがイマイチピンとこないという方もいらっしゃるかと思いますので、念のため月次決算のコトバの意味をご説明しますと、月次決算とは、「毎月月末を決算期末とみなして決算書を作成すること」をいいます。
どんな会社であっても、年に1回は、決算書を作成しているはずです。これは、年度決算にあたるものです。これに対して、この年度決算を12ヶ月で分割したもの、言い換えるなら、「月次決算12回分の積み重ねが、年度決算」とイメージするのが一番わかりやすいのではないでしょうか。
税務署に税務申告書を提出するため、あるいは、金融機関に対して新規借入をするにあたって年度の決算書が必要になりますから、年度決算に関してはそれなりに馴染みがあるものの、こと月次決算となると「う~ん・・・。」とコトバに詰まってしまう社長さんが多いものです。
さて、あなたの会社の月次決算はどうでしょうか?
月次決算が締まるのに、大体どれぐらいの日数を要していますか。
私は、常々、「5営業日以内、遅くとも10営業日以内での月次決算を目指してください。」とお伝えしているのですが、そのようにお話しすると「ええ?!そんなに早くですか?」とか「ウチの会社は、毎月の売上と預金通帳の残高は見ているからとりあえず大丈夫だと思うのですが・・・。」とか「前からずっと月次決算早期化をしたいと思っていたけど、どうしたらいいのかわからなくて・・・。」などなど実に様々な反応が返ってきます。
売上中心の会社づくりをしている会社や、社長自身が数字に対して無関心といった会社の場合は、月次決算は行わず年1回だけの年度決算だけ・・・ということも珍しくありません。
しかし、月次決算は、毎月の自社が置かれている状況をタイムリーに把握する上で大変重要なものであり、財務中心の会社づくりを進める上で、必要不可欠なものとなります。
会社経営は、よく飛行機の操縦に例えられますが、もしも仮に、社長が機長として飛行機の操縦席に座っていたとしたら、どんな情報が必要でしょうか?
普通に考えても、「今どこを飛行しているのか?」とか「エンジンに問題はないか?」とか「燃料の残量は大丈夫か?」など、計器から読み取れる数値情報をタイムリーに把握したいと考えるはずです。
逆に、これらの情報がなければ、まさに命がけの危険なフライトになってしまうのは、誰でも容易に想像がつきます。そんな状態であれば、どんなに腕利きのパイロットであっても、コックピットに入りたいとも思わないでしょう。
しかし、こと会社経営においては、多くの社長が、計器のないコックピット、あるいは、壊れた計器が搭載されているコックピットで、社長自身の勘や経験・度胸に頼った経営の舵取りをしてしまっているのです。これは、本当に怖いことであり恐ろしいことです。
業績の良い会社や経営が上手くいっている会社ほど、月次決算の期限を明確に定め、社長自らが全社員に対してルールを徹底しているものです。月次決算が遅くなる根本原因を突き止め、その精度を高めるためのPDCAサイクルを回すことに対して妥協をしません。
その一方で、業績の悪い会社や経営の苦しい会社ほど、社長自身が会社の数字を見たくないという思いもあってか、いつまでたっても月次決算に時間がかかったり、間違った数値情報が繰り返し上がってきたりします。
私は、これまで多くの同族会社の財務中心の会社づくりのお手伝いをしてまいりましたが、月次決算の重要性を理解し、タイムリーで正確な経営判断を下したいと願う社長ほど、「月次決算ができていない」「月次決算に時間がかかってしまっている」「月次決算の精度が低すぎる」コトの重大さに気が付きます。
真にお金を残す社長は、自社のお金の流れを「見える化」するためのイチ手段として、月次決算を上手に活用していくものなのです。
あなたは、社長としてタイムリーで正確な月次決算が実施出来ていますか?
何のために月次決算の早期化を目指すべきか、真に理解できていますか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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日本で唯一の「同族会社専門」財務コンサルティング機関
社長と会社にお金が残る仕組みづくりの専門家
『ダイヤモンド財務®』のユメリアコンサルティング株式会社
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