【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す経営財務

最短距離で成果を出す社長の財務思考

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第110話:最短距離で成果を出す社長の財務思考

「舘野さん、売上自体は増えているのですが、それに反して資金不足が加速しているようなんです。正直、自社のどこに問題があるのかよくわからなくって困っています。幹部連中は『もっと売上を増やせば・・・』といった感じなのですが、私自身はもっと他の部分に課題があると思っています。」先般、先代社長から経営のバトンタッチを受けて事業承継を終えたばかりの三代目社長の一言です。

多くの経営者にとって最もわかりやすく、心を癒す存在なのが『売上』です。売上はその会社の市場におけるシェアであり、売上が増えるということは自社の商品やサービスが世の中に認められ、必要とされていることの証にほかなりません。それに、商品やサービスの提供を受ける代わりに、その対価として支払われたものの集合体が売上ですから、売上を創り出す行為は、企業活動の原点でありなくてはならないものです。

そんなこともあって、たとえ経営計画や事業計画などの数値計画が存在しないような会社であっても、月次決算で毎月の自社の数字を把握できていないような会社であっても、売上目標ぐらいは持っているものです。社内に営業マンがいれば、それぞれが売上達成のノルマを掲げ、売上を増やすことに心血を注ぎますし、人事評価においても「売上」を基軸として社長が査定をしているケースだって珍しくないものです。

売上の達成度合いそのものは、非常にわかりやすい指標ですから、一見すると、「売上を増やす社員=優秀な社員」・・・と考えがちです。それに、社員側からしても「売上を増やせば、評価される」と考えれば、とにかくどんな手段を使ってでも、まずは売上を増やそうと考えます。そんなこともあって、他に評価の基軸となるものがあれば話は別ですが、他の評価の基軸を持たない会社であれば、社長だけでなく全社社員が「売上至上主義」の思考に陥ってしまいがちなのです。

しかし、ここで忘れてはならないのは、経営の原理原則です。会社経営とは、つきつめて考えていくと、「最小の元手で、最大の利益を稼ぐこと」にあります。

したがって、「売上さえ増やせば・・・」という売上至上主義の発想は極めて危険なのです。

どんなにたくさん売上をあげても、肝心の売上代金がきちんと回収されなければ意味がありません。代金の回収までが営業の仕事とはよく言いますが、もし仮に入金そのものが数ヶ月先ということであれば、回収以前の問題として資金繰りにも影響しますから、社長は、運転資金の工面だって同時に考えていかなければなりません。

さらに、「売上を増やすために・・・」「今の価格のままでは売れないから・・・」と安易に価格を引き下げたり、戦略なくして価格交渉に応じたりしていたのでは。一時的に売上が増えたとしても、肝心の「利益」が手元に残りにくくなっていきます。

あくまでも「利益」は、将来の成長発展に向けての先行投資や、不足の事態に備えての内部留保の源泉となるものです。したがって、手元にお金を残すためには、まずはしっかりと「利益」を稼がなければなりませんし、社長自身が厳しく「いかに利益を確保するか?」という視点を持ち続けていなければなりません。

なぜなら、自社の収益構造全体を理解し、鳥の目・虫の目・魚の目で、「攻める」「守る」「捨てる」決断ができるのは、社長だけだからです。あくまでも、自社の将来の方向性を決定づける決断ができるのは、ほかならぬ社長しかいないのです。

そして、何よりも大切なことは、「売上至上主義」の考え方を一日も早く卒業し、「財務中心の会社づくり」を行うことにあります。財務中心の会社づくりを行うことで、タイムリーで正しい経営判断を下すための社長専用のモノサシができるようになるのです。

財務中心の会社づくりができている会社の社長は、みせかけの利益ではなく、「自社の真の利益」と向き合い、最大化するための努力を惜しみません。そしてその大前提として、事業部別・部門別・商品別等さまざまな角度からみたそれぞれの利益を、タイムリーで正確に把握できるような仕組みづくりからスタートするのです。

どんなに社員一丸で頑張って売上を増やしたとしても、将来に向かっての方向性が間違っていれば、思うような成果を得ることができません。過去からの推移、そして、未来の予測等、様々な角度から自社の実態を見つめることで、正しい決断を下すことが初めて可能となります。経営資源が限られている中小企業、特に同族会社こそ、最短距離で理想とする未来に近づくためには、タイムリーで正しい経営判断を下すための社長専用のモノサシが不可欠なのです。

あなたは、社長として、「攻める」「守る」「捨てる」決断ができていますか?
あなたの会社は、「最小の元手で、最大の利益を稼ぐ」収益構造になっていますか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛

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 100年企業を目指す「ダイヤモンド財務®」のユメリアコンサルティング
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