【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す財務

当コラムは、「事業は順調なはずなのに、なぜかお金が残らない」「節税して税金から『会社』と『財産』を守りたい」「銀行対応で失敗したくない。借金を減らしたい」「無策なままの事業承継・相続対策。将来が不安」とお考えの同族会社のオーナー社長・二代目社長向けのコラムです。
「お金を残す財務」「節税対策・税金対策」「銀行対策・銀行融資」「事業承継・相続対策」に関する気づきやヒント、エールをお伝えします。(毎週水曜日更新)

なぜ、勝ち残る社長は「未来」を数字で語れるのか?

第129話:なぜ、勝ち残る社長は「未来」を数字で語れるのか?

「舘野さん、ウチの会社には経営計画とか事業計画といった類のものが一切ないんです。先代いわく、『そんな大そうなものをつくったところで意味がない』といった感じなのですが、私は、社員に会社の未来を見せてやるためにも経営計画を作りたいんです。」昨年末に社長に就任された、とある二代目社長の一言です。

いわゆる高度経済成長期に会社を創業し、日本経済の成長に伴って売上を増やす経営手法で会社を大きくしてきた社長の多くは、経営計画などの数値計画を嫌がる傾向にあります。特に、オーナー社長のKKD経営(いわゆるカリスマ的オーナー社長の勘・経験・度胸に依存した経営をいいます)が染みついた企業体質の場合は、数値計画どころか、自社の現状を把握するための月次決算そのものが機能していなかったり、あるいは、決算は年に1回のみで顧問税理士が決算を締めてくれないと今期の業績がわからない・・・という会社も数多く存在します。

月次決算を行っていない、数値で管理しているのは「売上」と「預金残高」の2つだけという会社は、社長自体が、会社の実態を知るための「会計」そのものを無意識のうちに軽視していたり、強い苦手意識を持っていたりする傾向にあります。

中には、「いやいや、ウチにはちゃんと経営計画があるよ」といった答えが返ってくることがありますが、実際に詳しく社長に話を聞くと「金融機関に提出するための資料ということで、中小企業診断士の人に作ってもらったものがある」とか、あるいは、「補助金などの申請のために数値計画をコンサルタントに作ってもらった」といった返事が返ってきます。

そんなこともあって、中小企業、特に同族会社で、経営計画を作成して、本当の意味で活用できているというところは、100社に1社ぐらいの割合といってもいいぐらいなのではないでしょうか。

もちろん外部のコンサルタントや中小企業診断士に計画をつくってもらうこと自体が悪いということではありません。社長自身が自らの手で社員とともに経営計画をつくるのがベストではありますが、どうしても自社で作成することが難しい場合には、第三者の手を借りるというのも立派な選択肢です。

しかし、ここで最も重要なことは、どんなに立派な計画をつくったとしても、どんなに偉い先生につくってもらったとしても、社長自身が経営に活かさなければ、それは作っていないのと全く同じことなのです。

それに、経営計画と謳っておきながら、何の根拠も、何の脈絡もない数字が並んでいたとしたら、それはもはや単なる「数字のお絵かき」の世界です。経営計画は、社長の経営理念・経営ビジョン・経営目標が根底にあり、その上で、経営戦略や数値計画、事業部ごとや個人別の行動計画があってしかるべきなのです。

あくまでも、経営計画は、変化の激しい時代の中で企業の成長のスピードを加速し、社員とともにPDCAサイクルを回していくための仕組みとして活用されるべきなのです。つまり、経営計画は、銀行から融資を引き出したり、補助金をもらったりするためのツールではなくて、会社組織内での「責任」と「権限」を分散管理する「社長のための権限掌握・統治戦略のツール」なのです。

大切なことは、社長は、「そもそも数値化していないものは管理できない」という現実から逃げてはいけないということです。逆を返せば、例えどんな状況にあろうとも、数値化されているものはいずれ必ず良くなるものなのです。なぜなら、「どうしたら良くなるのか?」を全員が必死に考え抜くからです。

たとえ、どんなに立派な経営理念や経営ビジョンがあったとしても、肝心の自社のあるべき姿が数値化されていなければ、それは達成されることはありません。誤解を恐れずに言えば、もはや「目標」というよりは「願望」に近いものです。

当然、どんなことであっても数値化すれは、「実績値」と「計画値」に乖離が出てきますし、計画を達成できなかった時の責任を社長が負うことになります。しかし、それはどんな会社であっても同じことです。仮に業績が良くても、何の計画もなく漠然と経営をしている社長と、例え一時的に業績が悪化したとしても、明るい未来の姿をあたかも写真で見ているかの如く数値で明確に説明できる社長とでは、あなたはどちらを信用するでしょうか。

どんなことでも数値化すればするほど、それは必ずより良いものになっていきます。だからこそ、強く永く勝ち残る会社の社長は、自社の未来の貸借対照表(BS)・損益計算書(PL)を社長自らの手でつくる手間を惜しまないのです。

経営計画そのものは決してムダなものではありません。問題なのは、正しく活用しないことであり、自社の未来に正面から向き合おうとしない社長自身の姿勢そのものが問題なのです。

あなたは、将来の経営計画と聞かれてとっさに売上目標だけを答えていませんか?
将来に向けて、自社の財務をどのように強化するか・・・明確な財務戦略がありますか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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