【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す会社財務

当コラムは、「事業は順調なはずなのに、なぜかお金が残らない」「節税して税金から『会社』と『財産』を守りたい」「銀行対応で失敗したくない。借金を減らしたい」「無策なままの事業承継・相続対策。将来が不安」とお考えの同族会社のオーナー社長・二代目社長向けのコラムです。
「お金を残す会社財務」「節税対策・税金対策」「銀行対策・銀行融資」「事業承継・相続対策」に関する気づきやヒント、エールをお伝えします。(毎週水曜日更新)

潰れない会社の社長が当たり前にやっている実務とは?

第135話:潰れない会社の社長が当たり前にやっている実務とは?

「舘野さん、ウチの会社の月次決算はとにかく遅いんです。ウチの経理担当者は、いつも忙しい忙しいと言うばかりで、月次決算に1ヵ月かかる時だってあります。月次決算を早くするために、経理業務の合理化を進めてみても否定的です。とにかく変わることを極端に嫌がるんですよ。」先般社長に就任したばかりのとある関西地方の三代目社長さんの一言です。

さて、あなたの会社の月次決算は、大体どのぐらいのスピードで仕上がっていますか。

早い会社ですと、3営業日だったり、5営業日だったり、中には、「翌営業日には、月次決算が締まる」という会社もあります。遅い会社ですと、20営業日だったり、あるいは1ヵ月だったり、中には「月次決算はやっていないから1年後」という会社も散見されます。

しかし、面白いもので、月次決算のスピードは、会社の「財務」にも大きく影響してきます。

月次決算のスピードが速い会社は、社長自身が会社の数字を大事に扱う傾向にあります。そのような会社は、社長だけでなく社員全員が会社の業績に対する関心が高いですから、必然的に経営状態も良くなりますし、万が一、経営が苦しくなったとしても、意思決定のスピードが速いですから、すぐに会社を立て直すことだってできます。

その一方で、月次決算のスピードが遅い会社は、社長自身が会社の数字に無頓着な傾向にあります。あるいは、社長自身が数字に弱いことが原因で、経理担当者や顧問税理士の都合のいいようにされてしまっていることが見受けられます。このような場合は、社長自身が自分の会社の状況をタイムリーに把握することができないことので、往々にして経営判断が遅れがちです。

その結果、経営がますます苦しくなっていくという悪循環にハマっていきます。実際に、銀行からの借金が返せなくなって立ち行かなくなってしまうような再生企業の9割以上が月次決算に1ヵ月近く、あるいは1ヵ月以上の時間を有しているという現実を、私は実務の現場で嫌というほどみてきました。

さらにひどい場合は、せっかく締まった月次決算でも、その数値が全く使えない状況にあることだってあります。

よくあるケースとしては、月次決算を「現金主義」で行ってしまっているケースです。現金主義の場合、お金が動いたタイミングで収益や費用を認識しますから、発生主義での計上、つまり、サービス提供をした・商品を売った段階での収益や、サービス提供を受けた・商品を仕入れた段階での費用は認識しないため、会社の実態と大きくかけ離れた数値データが月次決算の情報として提供されることになってしまいます。

もし、社長が、間違った月次決算の情報を信じて経営の舵取りを行ってしまったら、一体、どうなってしまうでしょうか?

例えば、
「今期は利益がたくさん出そうだと思っていたら、実際のところは赤字決算だった・・・」
「赤字決算だと思っていたら、利益が予想以上に出ていて税務対策を失念した・・・」
「自分の会社の真の姿がわからないまま投資をしたら、資金繰りが苦しくなった・・・」
などなど、笑うに笑えない状況に陥ってしまいます。

月次決算がタイムリーかつ正確に行えていない状況が慢性的に続くと、社長自身も「月次決算をやっても意味がない」という考え方に陥りがちですし、当の経理担当者も「あの社長は、中身を理解していないし、見ていないから遅くなったって大丈夫。」という認識になります。しかし、それでは絶対に経営が良くなることはありません。

ここで大切なことは、「月次決算は、社長の将来の経営判断に関わる重要な数値情報である」ということを、社長自らが、経理担当者に深く認識させなければならないということです。そして、社長自身が、「5営業日以内に」「経営判断に使えるデータで」月次決算を締めることを経理担当者に命じるべきなのです。

もし、経理担当者が「できない」「無理だ」というのであれば、「なぜできないのか?」「どこが問題なのか?」ということを具体的に説明させるとともに、「それをクリアーするためにはどうしたら良いのか?」を一緒に考えるべきなのです。社長自身が長期的・根本的・多面的な視点から会社全体を見渡し、手間や労力、時間やお金をかけてでも会社を成長発展に導くための「新たな仕組みを構築すること」に投資をするべきなのです。

社員の「できない」「無理だ」を鵜呑みにする社長はいないとは思いますが、特に、業歴が長くベテランの社員ほど、過去からのやり方に固執する傾向にあります。よく「ウチの会社は特殊だからできないんです!」とか「ウチの会社は特別なんですよ!」という説明を受けることがあります。しかし、例えどんな会社であっても、事態を打開するための方法は必ずあります。

ここで最も重要なことは、「強い財務の会社になる」ということを社長自身が決めることです。財務は、経理担当者や顧問税理士の仕事ではありません。あくまでも、会社の未来をつくるための社長のための実務であるということを、まずは社長自身が深く認識すべきなのです。

あなたの会社には、タイムリーな経営判断を行うための社長専用モノサシがありますか?
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ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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