【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す経営財務
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成功社長が実践しているお金の使い方・残し方
第188話:成功社長が実践しているお金の使い方・残し方
「舘野先生、3年前は業績が順調だったので、節税をしたり、役員報酬を増やしたり、色々なことを顧問税理士と相談して実行しました。その時は、現状維持ができればいいや…と慢心していたのかもしれません。」とある関東地方の2代目社長さんの一言です。
この社長さんいわく、3年前は、あることがキッカケで売上も利益も過去最高益を達成し、ある特定の分野でナンバーワンの地位を確立したのだそうです。そのタイミングで、顧問税理士にいわれて、今まで抑えていた役員報酬を引き上げて、節税のために高級外車を購入したり、自宅も大幅にアップグレードしたのだそうです。
その後、翌年は、前年の延長で多少は経営が上手くいっていたのですが、それからジリジリと経営が苦しくなっていったのだそうです。社長さんがおっしゃるには、「自分が満たされて慢心したこと」と、「社員の信頼を失ってしまったこと」が大きな要因とのことで、とても悔しそうに当時を振り返っていたのが大変印象的でした。
それから、念のためにお伝えしておくと、車を買ったり家を買ったりしてはダメというお話ではモチロンありません。あくまでも、今回お伝えしたいので、一時的に成功するのではなく、成功し続ける社長に共通するお金の使い方・残し方という視点です。
成功社長は、未来を創る「投資」にお金を使う
失敗社長は、間違った「節税」にお金を使う
そもそもの大前提として、人間は、満たされると一時的に思考が停止します。例えるならば、お腹一杯にご飯を食べたら、動けなくなって、眠くなってしまう…といったところでしょうか。
その事実を知っている社長であれば、更なる高みを目指すために、また新たな目標を掲げて前進していきます。つまり、意図的に「腹八分」の状態を自分で創り出しているのです。
しかし、その一方で、思考停止に陥ってしまって、立ち止まってしまう社長もいます。そうなると、すべてにおいて守りに入りますし、最終的には、現状維持さえもが厳しい状態に追い込まれてしまうのです。
当社は、同族会社と社長の財産管理(お金が残る仕組みづくり)実務の専門機関なので、「どうしたら、社長として成功するのか?」といったご相談など、実に様々な会社経営にまつわるお金の相談ごとが寄せられます。
今回のように、せっかく経営が上手くいっていたのにも関わらず、そこで儲けた利益を「自社の未来を創るための投資」に回さず、いわゆる節税商品ばかりにお金を使って、せっかくのチャンスを逃してしまうことがよくあります。
人は、経済的にも、精神的にも満たされると、あらゆる局面で「油断」が生まれます。それに、「守りたい」という守りの気持ちが強くなるというのもよく分かります。
しかし、社長が健全な事業意欲を失った会社は、衰退の一途をたどることになりますし、特に「同族会社」ほど、社長のお金に対する「むきあい方」が経営に、色濃く影響を与えるものなのです。
例えば、社長だけが「高級車に買い替え」したり、節税のためにと毎晩飲み歩いたり、豪華な自宅を建設しだしたら、社員の信用は地の底に落ちます。特に、同族会社の場合は、社員だけでなく、地域住民全員が「社長」のことをよく見ているものです。
ある意味社長が見せ金的なお金を使い方をすることで、社員のモチベーションが上がるような社風であれば、「自分も社長みたいになりたい!」とプラスに働くかもしれませんが、ほとんどの場合は、「社長だけズルイ。社員の待遇を改善してほしい!」となります。
もちろんせっかく頑張って成功を手に入れたのであれば、社長と社員の物心両面を満たすということも大切なことです。苦労をねぎらい、それに見合う対価を得るのは、当然のことです。しかし、それだけでは「成功し続ける」ことはできません。
成功し続ける社長は、経営の質向上のための「投資」を継続する
なぜなら、会社で得たお金は、「自社の経営を更に強くするため」に限定して、使い続けなければ、現状維持さえままならなくなるからです。社長が自社の未来を見据えた投資ができない会社は、いずれ衰退していきます。
だからこそ、一時的ではなく、毎年、毎年、自社の会社の未来を創るために、戦略的に投資を継続していかなければならないのです。
成功し続ける社長は、「会社の未来を創るために戦略的に投資する」という考え方を持っているからこそ、結果的に勝ち続けていくのです。勝ち残る社長は、自分の会社の「未来」がどうなるかわからないからこそ、社長が意図して会社の「未来」を創っているのです。
例えば、見込み客を獲得するための広告宣伝費や商談会などのプロモーション活動だったり、社内インフラを整備して生産性を向上させるためのIT投資や新規設備投資だったり、あるいは、人材教育や採用などのヒトへの投資だったり、新規事業を立ち上げるための研究開発費だったり…。
常に、「どこにお金を使おうか?」を考えているものなのです。ただし、闇雲に投資をしては「投資」ではなく「投機」になってしまいますので、そうならないように「財務戦略」を自在にあやつれるようにしておかなければならないのです。
あなたは、社長として、5年後10年後の未来から逆算して攻めの投資ができていますか?
節税対策ばかりに気を取られて、「社長」として真に考えるべき実務をおろそかにしていませんか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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日本で唯一の「同族会社専門」財務コンサルティング機関
社長と会社にお金が残る仕組みづくりの専門家
『ダイヤモンド財務®』のユメリアコンサルティング株式会社
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