【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す経営財務

当コラムは、「事業は順調なのに、お金が残らない…」「会社のお金の流れがわからない…」「経営判断の基軸になるものがない…」「税金からお金を守りたい…」「銀行対応で失敗したくない…」「無策なままの相続対策を何とかしたい…」このようなお悩みを抱えた同族会社のオーナー社長・2代目社長のための専門コラムです。(毎週水曜日更新)

経理と財務の違いを知らない社長が陥る落とし穴

第196話:経理と財務の違いを知らない社長が陥る落とし穴

「舘野先生、私は経理や会計のことがサッパリわからないんです。会社のお金のこととなると本当にゼンゼンわからなくて、将来のことが不安なんです。」ある東北地方の2代目社長さんの一言です。

当社は、同族会社と社長の財産管理(お金が残る仕組みづくり)実務の専門機関なので、実に、様々な会社経営にまつわるお金の相談ごとが寄せられます。その中でも、「会社のお金のことがわからない…」と悩まれている同族社長は、実際のところ数多くいらっしゃいます。

当社では、日々、そんな同族社長が抱える課題解決のお手伝いをしているのですが、「会社のお金のことがわからない…」と悩まれている社長には、ある共通した「勘違い」が存在するということに気付かされます。

それは、具体的にどういったものかというと、
「経理のことがわからないから、財務がわからない…」
「会計のことがわからないから、財務がわからない…」
「数字に弱いから、財務がわからない…」
というものです。

言い換えれば、会社のお金のことがわかるようになるためには、経理や会計のことを勉強して、数字に強くならなければならない…と誤解されているのです。

しかし、それは、間違いです。

優れた社長ほど「財務」を重視する理由

確かに、「経理」や「会計」を知らないより知っていた方がいいでしょうし、「数字」に弱いよりは、強い方がいいに決まっていますが、だからといって、会社のお金のこと、つまり「財務」のことがわかるようになる…というわけではないのです。

実際に、当社には、「経理畑出身」の社長さんも「社長のための財務」を身につけるために、毎月ご来社されていますし、数字にめっぽう強い社長さんだって、たくさんいらっしゃいます。

では、なぜ、そのような社長があえて「財務」を習得しようとしているのか?

それは、本当の意味で「財務」を知っている社長は、「経理と財務は、全くの別物」であり、「数字に強いのと財務は、全くの別物」であるという事実を理解しているからなのです。

そもそもの大前提として、経理は、「既に起きたお金の管理をすること」つまり、過去の会社のお金の流れに沿って、日々の取引の記録をしたり、決算書をつくったりすることにあります。

それに対して、財務は、「これから動かすお金の管理をすること」にあります。つまり、会社と社長の未来に向かって、財産管理の実務、つまり、お金が残る仕組みづくりをすることにあります。

具体的には、儲けを最大化するための損益管理の仕組みづくりをしたり、売上も借金も増やすことなくお金を増やすための打ち手を考えたり、お金を使わずにできる節税対策をしたり、金融機関と上手に付き合うための金融機関対応戦略を考えたりすることにあるのです。

経理は「過去目線」なのに対し、財務は「未来目線」

ここで社長が絶対的に知っておかなければならないことがあります。それは、何かというと、経理や会計は、仕事の目線が「過去」にあるのに対して、財務は、あくまでも仕事の目線が「未来」にあるという事実です。

この事実に気付かない限り、いつまで経っても会社のお金のことはわからないままですし、当然、社長と会社にお金が残ることはありません。

上場会社などの大企業であれば、CFO(財務担当役員)を雇って財務機能を持つことができます。しかし、中小企業、特に同族会社の場合は、社長が「財務」の重要性に気付かない限り、「財務不在経営」から脱却することはできないのです。

それから、同族会社の場合は、ある種「社長一族」と「会社」が表裏一体になっている部分があります。たとえば、事業用の不動産や株式を「社長一族」が保有していたり、「社長一族」や関連会社間で資金を回していたりしますので、非常にデリケートな問題もはらんでいます。

だからこそ、同族会社の場合は、社長が「財務」を知り磨き上げる努力をしなければならないのです。

財務は、勝ち残る社長に共通する思考の原理原則

それから、よく「財務を習得するためには、経理や会計の知識がないといけないのでは…」「財務を学ぶためには、決算書が読めないとダメなのでは…」という質問を受けることがあります。しかし、これらの答えは、全て「NO」です。

なぜなら、「財務」はあくまでも「未来に向かって社長と会社にお金を残す」ための「思考の原理原則」、つまり、「財務思考」を身につけることにあるからです。

誤解を恐れずに言えば、中途半端に経理や会計の知識があったり、自分は数字に強いという自負があったりする場合よりも、ゼロベースでスタートした方が過去や固定概念にとらわれないため、財務思考が浸透しやすかったりするものなのです。

財務思考を身につけるにあたって必要な要素は、経理や会計の知識ではありません。財務思考に必要なのはたった一つ、「社長自らが本気で自分の会社の未来に向き合う覚悟」だけなのです。

あなたは、「数字に弱いから」と財務思考から逃げていませんか?
本気で、会社の未来をつくるための決断が出来ていますか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛

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~同族会社と社長一族の「財産管理実務」の専門家~
社長と会社にお金を残す仕組み「財務コンサルティング」
「ダイヤモンド財務」のユメリアコンサルティング株式会社
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