【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す経営財務

財務を知らない社長が陥る「経理」の罠

214話:財務を知らない社長が陥る「経理」の罠

 「舘野先生、ウチの会社の経理担当者は、かなり高齢です。ハッキリいって、いつ引退…となってもおかしくはない状況です。それにもかかわらず、現状では、経理業務そのものがブラックボックスになっていて、経理担当者以外、誰も内容がわからないんです。」目下、財務中心の会社づくりに励まれている、とある山陰地方の2代目社長さんの一言です。

当社は、同族会社と社長の財産管理(お金が残る仕組みづくり)実務の専門機関なので、実に、様々な会社経営にまつわるお金の相談ごとが寄せられます。当社の場合は、2代目社長や3代目社長などの後継社長さんからのご相談をお受けする機会が大変多いのですが、実際に会社の状況をお伺いするとビックリすることがあります。

人件費の温床を生みやすいのが経理業務

例えば、会計ソフトで入力しているデータと全く同じ内容のものを手書きで作成していたり、同じ内容のデータを複数の箇所で入力してチェックしていたり、大量の手書きの伝票を一日に何枚も書いていたり…。PCの使用が当たり前のご時世にあって、また、クラウド会計などのITインフラ活用が盛んになっている昨今においてもなお、無駄な人件費を垂れ流し続けている…。そのような状況にある会社さんは、思いのほか多いものなのです。

さらに驚くことに、当の社長本人は「人手不足」と思っていたりします。資金も潤沢で、社員さんに給料を払って遊んでもらって結構…という会社さんであればまだいいのかもしれませんが、現実にはその逆です。つまり、売上も利益も伸び悩んでいて、借入依存体質になっている会社ほど、手書き大好き、紙の資料大好き、倉庫内は1円も生み出さない資料が山積みなのです。

当の担当者に、なぜその無駄な作業をしているのかを訊ねると、多くの場合このような回答が返ってきます。「昔からずっとこれでやってきているから…」「今までのやり方が慣れているから…」「それが当たり前だと思っていたから…」などなど、あくまでも無駄な作業であっても、それは無駄ではなく従業員さんからしてみれば「立派な仕事」なのです。

しかし、社長が「経営」という視点からみれば、結果は、一目瞭然です。これは、単なる無駄な人件費の垂れ流しでしかありません。そんな無駄な仕事をコツコツ継続しても、周囲の誰も喜びません。まさに、「仕事のための仕事」でしかないのです。

本気で数字に向き合う覚悟、ありますか?

そのような状況に陥ってしまうのには、様々な要因がありますが、最も重要で根本的な原因、それは、社長自身が売上を増やすことだけに夢中になっていて、会社のお金のことはほったらかしになっていることがあげられます。

しっかりとお金を残し、そのお金を未来に投資して回収するという一連のサイクルを回していくためには、当然ながら社長自身に「財務」の実務が不可欠です。誤解を恐れずに言えば、社長が財務を知らない会社は、いつ潰れてもおかしくはないのです。そして、社長が会社の未来をつくるための「財務」の実務を使いこなすためには、その大前提となる会社の過去の数値情報である「経理」が正しく機能している必要があります。

もちろん売上をあげること自体は、企業経営において欠かせない経済活動です。しかし、根本的な問題として、売上をあげる前の段階で最も重要なこと、それは社長が本当の意味で「経営」をするということです。そして、それは、社長自身が自社の数字と真剣に向き合うことなのです。

大切な考え方なのであえて申し上げますが、社長が自社の数字と真剣に向き合い、未来に向かって「次の一手」を打つこと、正しい経営判断をタイムリーに下し続けることこそが「経営」です。つまり、本当の意味で経営をしようと思うなら、自分の会社の経営の質を高めるための数値情報をしっかりと計測して向き合い、時には「決断」をする覚悟を持たなければならないのです。

その上で大事なことは、経営判断に使える数値情報を計測するための「仕組み」を持つことが大事なのです。そしてそれは、社長と会社にお金が残る仕組みに繋がっていきます。

経営判断を下すために真に必要な数字データを見ることなく、ただただ漠然と毎月の売上と預金残高だけ眺めている…、もし、そのような状態が続いていたとしたら、いつまで経っても経営は良くなりません。

本気で儲かって潰れない、利益を出してお金が残る強い会社づくりがしたいと願うのであれば、社長は自社の経営判断に必要な数値情報をタイムリーに正しく収集するための仕組みづくりをすべきなのです。

ダイヤモンド財務の社長は、自分の会社の数字と真剣に向き合い、「決断」をする覚悟と勇気があります。自社のどの数字が改善されたら、どれだけのお金が残るのかということを数字で具体的に理解しています。

 ガラス財務の社長は、ただ漠然と数字の結果を眺めているだけで経営している気分になります。数字の中身を知ろうと思っても、イマイチよくわかりません。いつまでもモヤモヤ不安なままで、次の一手が見えません。

あなたは、社長としてどちらの道を選びますか?      

ダイヤモンド財務®コンサルタント
 舘野 愛

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~同族会社と社長一族の「財産管理実務」の専門家~

社長と会社にお金を残す仕組み「財務コンサルティング」

「ダイヤモンド財務」のユメリアコンサルティング株式会社

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