【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す経営財務

あなたも「事業は順調なのに、お金が残らない…」「銀行借入が思うように減っていかない…」「経営判断に基軸がないから、迷ってしまう…」と悩んでいませんか?

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後継社長が陥りやすい経営の盲点

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第236話:後継社長が陥りやすい経営の盲点

「舘野先生、大事件です。今まで頼りにしていた大口の発注先から、突然、取引の停止を打診されてしまいました。どうやら、他の取引先に切り替えられてしまったようで、本当に悔しいです。今期は赤字決算に転落しそうだし、銀行に何て言ったらいいものか…。」とある東北地方の2代目社長さんからのご相談です。

当社は、同族会社と社長の財産管理(お金が残る仕組みづくり)実務の専門機関なので、実に、様々な会社経営にまつわるお金の相談ごとが寄せられます。特に、当社は「同族会社専門」ということもあって、2代目社長さんや3代目社長さんなどの後継社長さんのご支援を数多く行っております。

そのため、多くは、昔から長く存在しているビジネスモデルを主体としたものになりますから、どうしても既存事業のテコ入れをしたり、第二創業をしたりと、多くの後継社長さんは、幾多の困難を乗り越えて事業を継続させていかなければならない…という苦労があります。

会社経営において「依存」は致命的

ビジネスにおいて「1」という数字は危険であるとはよく言ったものですが、それは、銀行取引に限りません。売上構成が1社に依存していたり、あるいは、特定の業種・業界だけに依存していたりすると、その会社の経営方針や、特定の業種・業界の景気動向によって、自社の業績が大きく左右されることになります。

売上構成が1社に依存していても、あるいは、1つの業種・業界に依存していたとしても、景気がいい時は、目先のスケジュールはイッパイで忙しくなります。社員も皆忙しく働きますし、資金的にも潤っていきます。そのため、アタマの中では「このままではいけない」とわかっていても、ついつい「未来」をつくるための活動を先送りにしてしまいがちです。そして、それが命取りになるのです。

状況が一変して、頼りにしていた取引先から「年度計画が変更になったから、来期に先延ばしする…」「在庫調整をするから発注を見合わせる…」「もっと安い発注先に切り替える…」など急に通告を受けたら、今度は、その依存度合いが強ければ強いほど、アッという間に赤字に転落してしまいます。

「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも社長の責任である。」伝説の経営コンサルタントと称される故・一倉定氏も、会社経営にまつわる結果責任は、全て社長にあると述べています。

社長からしてみれば、取引先のせいにしたり、業種・業界の動向のせいにしたり、はたまた従業員のせいにしたり、自分以外の第三者のせいにしなければ、ココロとアタマの整理がつかないのかもしれません。しかしながら、誤解を恐れずに申し上げれば、自社の未来を決定づける方針や戦略を考え、決断できるのは、ただ一人社長しかいません。

厳しいようですが、取引先のせいでもなく、業種・業界の動向のせいでもなく、はたまた従業員のせいでも、もちろんないわけです。あくまでも、そのような状態をつくってしまったのは、他でもない「社長自身」です。どんな結果になろうとも、責任はただ一人「社長」にあるのです。

 

良い時ほど「間違った節税対策」の誘惑がくる

誰しも経営者であれば、調子が「良い時」もあれば、「苦しい時」も経験します。しかし、「調子が良い時」こそ、それは、「本当の自社の実力なのか?」はたまた「たまたま取引先が上手くいっているからなのか?」あるいは「タイミングや運が良かったからなのか?」をじっくり考え、次に訪れる「苦しい時」に備えなければならないのです。この「良い時」にいかに備えられるかで「苦しい時」の時間軸が変わってくるのです。

さらに、悩ましいのが、調子が「良い時」ほど、間違った節税対策の誘惑が増えることです。「調子が良い時」は、誰しも気持ちが大きくなります。特に、長年赤字続きだったり、社長に就任したてだったりする場合には、「税金」に対して強い抵抗感を持たれます。

「節税したい!」という気持ちがますます強くなってきますし、チャンスとばかり「提案」という名の節税対策が、銀行員・保険セールスマン・顧問税理士から次々と持ち込まれてきます。その結果、「間違った節税対策」の落とし穴にハマっていくのです。特に、一時的な節税対策ではなく、中長期的な節税対策の場合は、そのしわ寄せがボディーブローのように経営を圧迫していきます。

ここで大切なことは、「調子が良い時」ほど、いずれ訪れる「苦しい時」を見据えた「先行投資」に資金を投下しつつ、しっかり内部留保する…ということです。例えば、取引先を特定の会社や業種・業界に依存しているのであれば、その依存度合いを少しでも引き下げるための打ち手を考え、そこに先行投資したり、売上を増やすための投資や生産性をアップさせるための投資、社内の経営管理体制を強化するための投資など、自社の経営をより強く、盤石なものにするための投資先を正しく見極めることが重要なのです。

先行投資をすべき時に正しく先行投資をしていなかったり、あるいは、先行投資をしていてもその方法を間違っていたとしたら、「苦しい時」が底なし沼になってしまいます。大切なことは、社長が自らの財務の視点から必死に考え抜いて、「数字」で具体的な未来を描き、行動に移していくことなのです。

ダイヤモンド財務の社長は、全ての結果は「社長」にあると真摯に受け止めます。良い結果も、悪い結果も、冷静に数字で具体的に考えて「次の一手」に落とし込みます。

ガラス財務の社長は、都合の悪いことは「自分以外の第三者」に責任転嫁します。そのため、いつまで経っても同じ状況から抜け出すことはできませんし、時間の経過とともに、悪化の一途を辿ります。

社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。もっといえば、会社の未来を創ることです。

あなたは、社長として、会社の未来をつくれていますか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛

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社長と会社にお金が残る仕組みづくりの専門家

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