【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す経営財務
あなたも「事業は順調なのに、お金が残らない…」「銀行借入が思うように減っていかない…」「経営判断に基軸がないから、迷ってしまう…」と悩んでいませんか?
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なぜ、売上病の2代目社長が会社を潰すのか?
第270話:なぜ、売上病の2代目社長が会社を潰すのか?
「舘野先生、ウチの会社は、売上が増えているのに、お金は減っていく一方です。このまま経営していって、お金が増えるという感覚がどうしても持てません。今のところは、どの銀行も『融資させてください』って言ってくれていますが、先のことを考えると不安で不安で…。」昨年末に先代社長からの事業承継を終えて、目下、財務中心の会社づくりに奮闘中の2代目社長さんからのご相談です。
当社は、同族会社と社長の財産管理(お金が残る仕組みづくり)実務の専門機関なので、実に、様々な会社経営にまつわるお金の相談ごとが寄せられます。その中でも、特に「事業は順調なはずなのに、いつもお金がない…」「自分の会社のどこに問題があるのかわからない…」「借金が思うように減っていかない…」といったご相談が非常に多く寄せられます。
特に、経営に前向きな社長さんほど、「攻めの投資」を積極的に行っていきます。もちろん積極的な事業投資自体は決して悪いものではありません。問題なのは、そのやり方です。
売上至上主義の社長が陥る落とし穴
例えば、社長自身がちゃんと正しい財務を知っていて、その上で経営判断している…というのであれば良いのですが、多くの場合は、「売上が増えそうだから」という理由だけで、その経営判断が、自社の財務にどのような影響を及ぼすかまで考えていなかったりするのです。
言い方を変えれば、正しい財務の知識を持っている人からすれば、「NG」の判断であっても、間違った財務の知識しか持ち合わせていない人からすれば「OK」の判断になってしまう…これが財務の怖い部分なのです。会社が潰れてしまうのは、お金が尽きた時です。その事実を知らない社長が仮に会社を潰してしまっても、社員や家族は社長と運命を共にするしかありません。
特に、同族会社の場合、社長しか本当の意味での財務の実務を担えませんから、家族や社員さんにはどうすることもできません。家族や社員さんからしてみれば、本当に理不尽なことです。だからこそ、そうならないように、少なくとも社長は、正しい価値判断の基準を知った上で、自社の経営の質を向上し続けなければならないのです。
たとえば、もし、あなたが「あなたの会社の数値目標を教えてください」といわれたら、どんなものが数値目標として思い浮かぶでしょうか?
きっと、一番最初に思い浮かんだのは、「売上目標」ではないでしょうか。私のこれまでの経験上、「数値目標」といえば、ほぼ100%といってもいいぐらい「売上目標」という回答が返ってきます。そして、「それ以外の数値目標はありますか?」と尋ねると、ほぼ例外なく「ないです…」という回答が返ってくるのです。
会社で決定している数値目標が「売上」しかなければ、当然会社は、「売上至上主義」に傾いていきます。そうなれば、社長だけでなく、社員も「売上」を基準にすべての価値判断をするようになっていくのです。給与や賞与などの人事評価制度に始まり、会社のあらゆる意思決定において、間違った判断基軸で、間違ったお金の使い方をしてしまうのです。
「お金」が残らない会社に未来はない
売上が毎年右肩上がりに増えていっているにも関わらず、それがあくまでも「表面的」なものであれば、当然、お金が残ることはありません。むしろ、お金が残るどころか、お金は減って、借金ばかりが増えていく…まさに、負のスパイラルが待っています。
あくまでも、事業を永続させていくためには、絶対的に「お金」が必要です。しつこいようですが、会社が潰れるのは、売上が減った時でもなければ、赤字決算になった時でもなく、「お金」が尽きてしまった時だからです。
そして、その「お金」というのは、税金や借入金返済をした後に残るものです。具体的には、お客様からいただいた「売上」から、商品の仕入代金や社員の人件費などの「費用」を差し引き、そこから「税金」を払って、さらに、銀行から借りたお金の「借金返済」をして、その上で残る「お金」のことです。
ですから、売上規模以上に多額の借金を背負っていれば、当然、毎月の「借金返済」は苦しくなってしまいます。それに、そもそもの収益構造として、「売上」を上回る「費用」が発生するのであれば、そもそもの構造自体に問題があるため、遅かれ早かれ経営が苦しくなるものなのです。
社長がやるべきことは、ただ一つ、真に「儲かって潰れない」「利益を出してお金が残る」会社づくりをすること。本当の意味で「儲かって潰れない」「利益を出してお金が残る」会社になれば、他の経営課題も、自ずと解決していくものなのです。
ダイヤモンド財務の社長は、本当の意味で「儲かって潰れない」「利益を出してお金が残る」会社づくりをするための打ち手を、財務の視点から考えて決断します。
ガラス財務の社長は、売上だけを見て経営判断をします。すべての経営判断の基軸が「売上」になるため、結果的に「利益」も残らず、「お金」も減っていきます。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。もっといえば、会社の未来を創ることです。
あなたは、社長として、会社の未来をつくれていますか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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社長と会社にお金が残る仕組みづくりの専門家
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