【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 事業承継・相続対策

当コラムは、「事業は順調なはずなのに、なぜかお金が残らない」「節税して税金から『会社』と『財産』を守りたい」「銀行対応で失敗したくない。借金を減らしたい」「無策なままの事業承継・相続対策。将来が不安」とお考えの同族会社のオーナー社長・二代目社長向けのコラムです。
「お金を残す財務」「節税対策・税金対策」「銀行対策・銀行融資」「事業承継・相続対策」に関する気づきやヒント、エールをお伝えします。(毎週水曜日更新)

次世代経営者が持っておきたい「第二創業」思考

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第10話:次世代経営者が持っておきたい「第二創業」思考

「舘野さん、ウチみたいな平凡な会社でも、第二創業、チャレンジできますか?」先代経営者からのバトンタッチを目前に、現状維持の限界を感じつつ、今後の方向性を思い悩んでいらっしゃる、ある後継社長さんからのご相談です。

ご相談のキッカケは、遡ること、先日の経済産業省・中小企業庁のプレスリリースでした。「事業承継を契機に、既存の不採算部門を廃業し、新分野に挑戦する等の第二創業者に対して、費用の一部を支援(補助上限1,000万円、補助率2/3)する」という検討が、既に始まっています。
不振の従来事業を整理し、新分野への進出で再建を目指す後継者を応援する…という新たな動きです。このような次世代経営者を応援する制度は、本当に喜ばしいことです。参考】平成27年度予算概算要求についてhttp://www.chusho.meti.go.jp/koukai/shingikai/syoukibokihon/2014/140901Haifu6.pdf

資料によれば、
① 名称を「創業促進補助金」から「創業・第二創業促進補助金」に改め、
② 2015年度予算の概算要求に総額25億円の経費を盛り込み、
③ 事業承継を契機に既存の不採算部門を廃業し、新分野に挑戦する等の第二創業者に対して、人件費や設備費等(廃業登記や法手続費用、在庫処分費等廃業コストを含む)に要する費用の一部を支援(補助上限1,000万円、補助率2/3)
とされています。

当社は、次世代経営者専門の財務コンサルティング会社のため、かねてから、事業承継の問題は、株式承継や相続対策・後継者不足問題だけではないと考えておりました。元々の既存事業のあり方、つまり、財務改善やその延長線上にある「第二創業」こそが、永続的成功繁栄を志す次世代経営者にとって、最も重要なことであり、その根底には、「財務中心の会社づくり」が必要不可欠なのです。

日本経済を根底から支える多くの中小企業は、今、まさに世代交代を迎えようとしています。特に、社歴が30年以上の会社の場合は、創業社長が60歳以上のケースがほとんどです。そして、帝国データバンクの実態調査によれば、「60歳代の社長、半数強が後継者不在」というセンセーショナルな調査結果まで出ています。後継者不足問題は、日本の中小企業の存亡を左右する喫緊の課題なのです。

ですから、後継者がいる会社は、実は、ただそのこと自体だけでも恵まれているのです。「後継者がいる」ということだけで、長期目線での経営計画が立てやすくなりますから、他の競合他社に比べて、一歩も、二歩も、リードすることができます。あとは、後継社長の頑張り次第です。そして、何より、会社を守ることによって、社員の雇用を守ることができます。中小企業の存亡は、地域経済に与える影響も、会社を取り巻く人間の生活にも大きな影響を与える一大事なのです。だからこそ、政府も、雇用を守るために・・・、地域経済の活性化のために・・・と対策を急いでいるのです。

ですが、後継社長の場合は、ただ単に会社を引き継げば安泰という訳ではありません。なぜなら、「企業の寿命は30年」とよく言われますが、大抵の場合、後継社長が創業社長からバトンタッチを受ける時期というものは、企業のライフサイクルでいうところの「衰退期」に差し掛かっている、あるいは、真っ只中というケースが大半を占めるからです。

バトンタッチを受けたら即座に、成長期に返り咲くための「第二創業」に着手しなければ、気が付いたら再生企業の仲間入りをしてしまっている・・・、といった何とも悩ましい分岐点への入り口だったということも、枚挙に暇がありません。

当然のことながら、企業の成長ステージによって抱えている経営課題は異なってきます。何の経営課題もない会社など、世の中には存在しません。例えば、創業期の時は、まずは売上を創造することが至上命題になるため、いかに市場や顧客へアプローチしていくかがポイントになりますし、成長期の時は、売上拡大が続くため、それに耐えうる経営管理体制の整備が課題となります。成熟期に入れば、売上・利益ともに一服という状態になるため、新たな成長期を迎えるための事業展開を確実に行っていくか、そのまま衰退期に入るか・・・どちらかの道を歩むことになります。

特に、社歴が30年を超えている会社の場合には「従来のやり方が市場に通用しない」、具体的には、「高度経済成長下において実践していた経営手法が、現在の低成長の日本経済下では通用しない」・・・そんな状況が「数字」となって決算書から浮かびあがってきます。決算書を読みこなせる社長であれば、決算書からの「叫び声」に耳を傾けて、その事実に気が付きます。そして、そこから「第二創業」にチャレンジした会社は、また、新たな成長期を歩むことができます。ですが、決算書の叫び声に耳を傾けず、そのまま業績悪化が進行した場合には、再生期に突入・・・という、最も望ましくない道のりを歩むことになってしまう、そんなリスクをはらんでいるのです。

再生期に突入してしまうと、業績悪化とともに資金が目減りしていき、「次の一手」を打つための「選択肢」が日を追うごとに少なくなっていってしまいます。借入依存・資金不足の状況に加えて赤字体質に陥ってしまった会社の経営の舵取りを担うのは、とても大変なことです。

ですから、後継社長こそ、財務中心の会社づくりを意識して行い、「いかに、経営環境の変化に対応していくか?」を考え抜いていかなければならないのです。特に、高度経済成長下の時に創業した会社ほど、今の低成長下の日本経済で生き抜くためのキーポイントは、「財務」にあるということを、よくよく理解しておく必要があるのです。

創業後30年を超えても、世の中に価値ある技術やサービス・商品を送りし続けている会社も多く存在します。それは、経営者自身が、経営環境の変化に対応しつつ、常に経営改革を継続しているからなのです。本業を大切にした新事業へのチャレンジを続け、身の丈に合った「攻め」の経営を行うことで、時代の変化や経済環境の逆風に負けない強い会社づくりを行っていく・・・。それこそが、結果的には、事業を自由自在に操れる経営に繋がるのです。一見地味で遠回りに見える財務中心の会社づくりこそが、事業永続のための近道なのです。

逆に、一見地味に見える会社や事業であっても、30年以上続けられるということは、多くのお客様や利害関係者に支えられ、愛されてきた証拠に他ならないのです。「うちの会社はそんなたいしたことやってないから・・・」という会社の社長さんこそ、長い年月をかけて、優れた技術や商品・サービスを大切に磨き続けているものです。そんな会社こそ、新たな成功を掴むために、積極的な第二創業を目指していくべきなのです。

あなたの会社は、本業を大切にした新事業へのチャレンジをしていますか?
身の丈にあった「攻め」の経営を実践していますか?

ユメリアコンサルティングは、あなたの「事業を通じた夢実現」をダイヤモンド財務でお手伝いします。

舘野愛

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