【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 事業承継・相続対策

当コラムは、「事業は順調なはずなのに、なぜかお金が残らない」「節税して税金から『会社』と『財産』を守りたい」「銀行対応で失敗したくない。借金を減らしたい」「無策なままの事業承継・相続対策。将来が不安」とお考えの同族会社のオーナー社長・二代目社長向けのコラムです。
「お金を残す財務」「節税対策・税金対策」「銀行対策・銀行融資」「事業承継・相続対策」に関する気づきやヒント、エールをお伝えします。(毎週水曜日更新)

次世代経営者が目隠し運転で高速道路を走るような感覚を持つ理由

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第25話:次世代経営者が目隠し運転で高速道路を走るような感覚を持つ理由

「舘野さん、今日のお話、本当に耳が痛い内容で、とても参考になりましたよ。自社に持ち帰って、しっかり活かしたいと思います。それから、お話の中で『目隠し運転で高速道路を走るような感覚』っておっしゃってましたね。まさに、今の僕のことだと思って内心ドキッとしました。」ある講演会で登壇させて頂いた際に、お寄せ頂いたとある二代目社長さんからの感想です。

目隠し運転で高速道路を走るような感覚・・・。
あまり一般的な表現でもありませんし、もしかしたら意味不明?な言い回しかもしれません。人によっては、「何かおかしなことを言っている人だな」と感じられるかもしれません。あなたは、『目隠し運転で高速道路を走るような感覚』というと、どんな状態を思い浮かべますか?なんとなく思い浮かべただけでも、少しゾッとする状態・・・。

実は、多くの後継社長さんは、この『目隠し運転で高速道路を走るような感覚』を抱きながら、日々、経営の舵取りをしているのが実情です。なぜ、そう思うかというと、それは、私自身が、実際に実務の現場でご支援させて頂く中で常々感じているからです。

よくご相談にお見えになられた後継社長さんに、「もしかしたら、今の状況は、『目隠し運転で高速道路を走るような感覚』ではありませんか?」と問いかけると、大抵の場合は、「そうなんです!なんでわかったんですか?」という一種の驚きと、今まで上手く表現出来なかった心のモヤモヤの原因がわかった・・・という安堵の表情を浮かべられます。

では、なぜ多くの二代目社長・三代目社長などの後継社長さんが、『目隠し運転で高速道路を走るような感覚』を持つのでしょうか。それは、ある一つの大きな理由があります。

それは、「最初から多くの資産や負債、社員や取引先・お客様を背負っての船出になるから」です。創業社長の場合は、自ら会社を興して事業をスタートさせているので、いわば、「ゼロ」を「イチ」にする苦労があります。それに対して、後継社長の場合は、既に出来上がっている会社という仕組みを引き継いで事業をさらに成功発展させなければならないという至上命題があることから、その引き継ぐ「会社という仕組み」が大きければ大きいほど、自分が下す経営判断や決断の重みをずっしりと感じるのです。さらに、引き継ぐ会社の経営状態があまり芳しくない場合には、事業承継の前段階として事業再生、つまり、まずは「マイナス」を「ゼロ」にして、「ゼロ」を「イチ」にする二段階の苦労が待ち受けています。

会社を存続させるのも、潰してしまうのも、最後は社長である自分次第です。そして、目隠し運転で高速道路を走るような感覚を払拭するための唯一の手立てが、意識して財務基盤を強化し、財務中心の会社づくりを行っていくことなのです。

日々下す経営判断には、常に「お金」がつきまといます。「出ていくお金」もしかり、「入ってくるお金」も、最終的には、社長の意思が反映されたものになります。ですから、いわば見えない財務の壁は、社長自らが意識して乗り越えるより他ないのです。

「ウチの会社は、中小企業だから大丈夫」とか「会社のお金のことは、顧問税理士が見ているから大丈夫」などど思っている社長こそ、実は、注意が必要なのです。なぜなら、中小企業こそ大企業に比べて時代の変化や経済環境の逆風の影響を受けやすいですし、また、顧問税理士や経理担当者頼みの資金管理では、あくまでも「過去に動いたお金の管理」はできても、「将来に動かすお金の管理」をする人が不在といっているようなものだからです。

ところで、永続的な成功繁栄が約束された会社は、どのような会社だと思いますか?
それは、「出ていくお金」を極力減らして、「入っていくお金」を最大化して、しっかりとお金が残る仕組みになっている会社です。そのためには、社長は、意識して財務基盤を強化して、財務中心の会社づくりをしていく必要があります。

財務基盤を強化するためには、資金効率を重視して最小の元手で最大の利益が稼げるようにするとか、あるいは、要らない資産は持たない・買わない・捨てる、外部資本に頼らないで自己資本比率を上げたり、いつでも金融機関から資金調達できるような状態を維持しておくなどの判断を、経営者自らが意識して下していく必要があります。

それから、財務中心の会社づくりをしていくためには、正しい経営判断を下すための経営のモノサシを持って、「攻める経営」「守る経営」「捨てる経営」を行うことや、固定費を出来る限り変動費化する工夫、あるいは、「投資」「還元」「内部留保」のルールを明確化するとともに、目指すべき数値目標に向かって全社員が一丸となって前進できる仕組みをもつことなどが挙げられます。

それともうひとつ、実は、目隠し運転で高速道路を走るような感覚に近い状態として、『会社経営にまつわるお金の不安や、財務に対する漠然としたモヤモヤ感』を持たれる方もいます。それは、多くの場合、創業してある程度経った会社、つまり、いわゆる成長期に入る段階のオーナー社長さんです。

というのも、創業当初は、ある意味「売上を創造すること」が至上命題ということもあり、売上を増やせば潰れない会社になると考えます。ですが、そのまま突き進んでしまうと、無理な売上拡大を行ったり、身の丈に合わない投資を行ったりした結果、気が付いたら自社が倒産しかけていた・・・という崖っぷちを経験するオーナー社長さんは多いものです。そして、このような間違った財務戦略を行った結果、最悪の場合は、黒字倒産という事態に発展してしまうことだってあるのです。

ですから、創業オーナー社長は、ある意味、会社経営を進めていく中で「財務の重要性」に開眼しなければならない時期が訪れるのです。そして、その財務の重要性に気が付いた段階で、自社が抱える経営課題を財務面から把握し、それを乗り越えていくことで更なる成長発展を遂げることができるのです。

財務中心の会社づくりで、自社が抱える経営課題を数値面から正確に把握していますか?
あなたの会社には、今、目の前にある壁を乗り越える具体策はありますか?

 

ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛

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 「ダイヤモンド財務®」コンサルティングのユメリアコンサルティング
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