【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 事業承継・相続対策

財務がわからない社長にお金が残らない理由

第171話:財務がわからない社長にお金が残らない理由

「舘野先生、最近では、取引のある銀行だけでなく、あまりなじみのない証券会社からも『お父様の相続対策を提案させてください』っていわれるようになってきました。そのせいなのか、どうも父の態度がおかしいんですよ。この間も、株と不動産の件でイキナリ怒鳴り出す始末で・・・。」昨年末、どことなく疲れた様子でご相談にお見えになられたとある40代の二代目社長さんの一言です。

当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関ですので、同族会社の「財務」を磨き上げるだけでなく、社長個人の「財務」についても目を配らせ、長期的に「社長と会社にお金が残る仕組みづくり」をすることをモットーとしています。

そんなこともあって、どうしても年末は、「株式」と「不動産」に関する承継のタイミングの見極めや、具体的な手法についての最終的な意思決定に関わることが多くなってくるのです。

昨年に限って言えば、例えば、不動産に関する分野で「広大地の評価」に改正が入り、「地積規模の大きな宅地の評価」がスタートしたり、あるいは、2018年度の税制改正大綱では、「小規模宅地の特例」の特例の厳格化について検討が始まったりしました。

したがって、該当するような不動産をお持ちの同族会社や社長にとっては、少なからず影響が生じることとなったのです。つまり、不動産の権利関係を整理しようと考えていた後継社長にとっては、2017年中に動かしたのと、2018年中に動かすのとでは、当然ながら動くお金の金額が変わってきたのです。

当社は、社長のための財務コンサルティングを行う会社であり、社長にとっての利益を最大化することを至上命題として考えているため、そのような不動産をお持ちの同族会社、あるいは同族社長の状況を常にウォッチし、どのタイミングで、どのようなカタチで動かすのが最も「社長と会社にお金が残る」選択肢なのかを注視し、提言してきました。

さらに、自社株式に関する分野については、先般より非上場株式の評価方法が変わり、今年の税制改正大綱において「10年間の特例として、経営者の保有株式の全てを相続税⼜は贈与税の全額について納税猶予の対象とする」などの事業承継税制の緩和が検討されたり、逆に、⼀般社団法⼈等を利⽤した相続税の節税策の封鎖が検討されたりと、ここ数年、改正が加速したりしています。

もしかしたら、今回のお話は、あまり聞きなれない専門用語が多くてちょっと難しいな…と感じられた社長さんもいらっしゃるかもしれません。

しかし、今回、ここでお伝えしたいのは、細かい税制の話や計算方法についてのことではありません。真にお伝えしたいこと、それは、同族会社の社長は、会社の財務だけではなく、社長個人や同族一族の財務についても知っておかなければ、「お金は残らない」ということです。

なぜなら、同族会社の場合は、「会社の財務」と「社長の財務」が複雑に絡み合っており、まさに、「表裏一体の関係にある」といっても過言ではないからです。したがって、どちらか一方だけ見るというのではダメなのです。

同族会社の場合は、同族オーナー一族が所有する不動産や資産を会社が借りていたり、あるいは、自社株式が同族オーナー一族に分散していたりします。そして、それらの資産は、金融機関からの借り入れの際の担保に入っていたりするため、簡単に手放すことができません。それに、そもそも、事業に必要な資産なので、相続税の評価額自体は数千万円、億単位と高額であっても、現実的には売却することができません。

そうなると、多額の株式買い取り資金や、税金負担だけを後継社長が一手に引き受けなければならなくなってしまうのです。そして、そのために多額の借金を後継社長一人が背負うことになったりするのです。

雇われ社長は、都合が悪くなったらいつだって逃げられます。しかし、同族会社の後継社長は、どんなに辛く厳しいことがあっても、絶対に逃げることができないのです。だからこそ、誰よりも財務に精通しておかなければならないのです。

会社の財務も、社長個人の財務も、「短期的・一面的・表面的」に取り組めば必ず失敗します。大切なことは、「長期的・多面的・根本的」な視点を持った上で、会社と社長個人の財務を磨くための選択肢を知り、具体策を講じることなのです。

あなたは、オベンキョウの財務ではなく同族社長の「財務」ができていますか?
社長として、会社と社長自身の財務を磨くための具体策がありますか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛

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