次世代経営者が持っておくべき節税対策の心得

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第11話:次世代経営者が持っておくべき節税対策の心得

「舘野先生、今年は税金がたくさん発生してしまうみたいなんです。何とかなりませんか?」今年で創業して3年目、創業時に発生した繰越欠損金もあっという間に使い切り、コツコツと重ねてきた努力がようやく実って、今まさに絶好調、順風満帆な起業家からのご相談です。
 一般的な中小企業経営者向けの書籍やデータベースなどによると、創業事業者の廃業率は、概ね1年以内30~40%、3年以内70%などと表現されていますが、起業家をとりまく環境は、決して甘くはありません。正直、生き残るだけで精一杯・・・という起業家の方が大多数を占めているのが実情かもしれません。そんな中で「税金がたくさん発生する」ということ自体は、本当に喜ばしいことです。

ですが、法人税などは、他の一般的な費用と異なって、税務上の費用となりません(税務上の表現では、損金不算入といいます)し、支払ったところで直接的なリターンが見えにくい(納税は社会の一員としての義務であり、国を豊かにするための社会貢献)ため、極力最小化したい・・・と多くの経営者は考えます。

その考え自体は、ごくごく自然なことですし、経営の本質が「お金を増やすこと」であることを鑑みれば、当然の話です。

仮に、売上高当期利益率が2%だったとしたら、100万円の利益を残すためには、単純計算でも、5,000万円の売上が必要(100万円÷2%=5,000万円)という計算になります。手元にしっかりと資金を残して、会社の内部留保を厚くし、将来への投資に繋げたいという積極的経営思考を持っている経営者であれば、この事例の場合、100万円の節税は、5,000万円の売上に相当すると考えるでしょう。 お金が残らない会社の間違った節税対策

つまり、正しく節税をするということは、それだけ会社に資金を残して、会社の内部留保を厚くすることにつながるということなのです。いうまでもなく、それだけ財務的インパクトが大きいのです。だからこそ、正しく納税をしながら、トータルでの納税額を圧縮するという税務対策が必要になってきます。

そして、企業の永続的成長発展という視点で考えるのであれば、やみくもに節税をすればよいというワケではありません。最も大切なことは、しっかりと会社の内部留保を厚くしながら、そして、オーナー経営者の財産も守りながら税務対策を講じるということです。

会社が支払う税金は、法人税だけではありません。地方税もあります。個人にかかる税金は、所得税や相続税もあります。つまり、オーナー経営者の場合には、会社の税金だけでなく、個人の税金も踏まえた複眼的な視点で税務対策を講じていくことが最も重要なのです。

特に、税制は、国の政策と密接に関係しています。例えば、中小企業を応援する中小企業税制、地方自治体を応援するふるさと納税など、政策的に優遇措置として設けられている制度は、まさに時流に乗ったものです。よって、活用できるのであれば、積極的に活用すべきですし、プロの職業会計人や、優れた経営者ほどそれらの情報をイチ早くキャッチして、徹底的に活用しているものです。

逆に、「節税対策になります」と謳っている商品ほど、なぜかやたらと制度が複雑だったり、その仕組みやカラクリについて疑問を抱くようなものだったりします。

納税額自体は少なくなって一見節税になったように見えても、実は、肝心のキャッシュが目減りして内部留保ができず、結果的に財務の健全性が損なわれてしまったとか、あるいは、節税対策という大義名分のもと、無駄な設備投資や浪費に走ってしまった・・・などなど間違った節税対策で、後々、後悔をしている経営者も多く存在します。 節税が趣味の社長にお金が残らない理由

特に、法の抜け穴を突くようなものは、国税当局も課税の公平の見地から、常に目を光らせています。気が付くと、あっという間に法の網がかかっており、対策を講じたつもりが逆効果になってしまった・・・なんて事例は、意外と多いものです。

ですから、「税金を払いたくない」という一心で講じた節税対策こそ、しっかりと地に足をつけて、経営者が冷静に最終判断を下すべきなのです。安定経営・永続的繁栄を望む経営者こそ、くれぐれも、「目的」と「手段」を取り違えた節税対策に足を踏み入れないよう、十分な注意が必要なのです。

あなたの会社は、目的にあった節税対策を複眼的に検討していますか?
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ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛

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舘野 愛

この記事の監修・執筆者

舘野 愛(Tateno Ai)

ユメリアコンサルティング株式会社 代表取締役

同族会社専門 社長と会社にお金が残る仕組みづくりの専門家
100年続くキャッシュリッチ経営「ダイヤモンド財務®」開発者

法政大学経営学部卒業後、中央青山PwCコンサルティング株式会社、税理士法人みらいコンサルティングを経て現職。財務顧問部の責任者として数多くの同族会社の支援(経営財務・事業承継・企業再生など)に従事。ある同族会社の倒産を目の当たりにした経験から、「財務は会社と社長一族の命運を左右する」と痛感し、日本初の同族会社専門コンサルティング会社を設立。

20年以上にわたり1,300人以上の同族社長を指導。売上や借金を増やさずに1年で手元資金を2倍にした事例や、実質無借金経営の実現、相続税の9割圧縮など、あらゆる角度からお金の悩みを解決する「ダイヤモンド財務®」プログラムを開発・指導している。2017年・2020年には「日本の専門コンサルタント年鑑」で厳選実力者として紹介される。

■ 保有資格

  • 税理士(東京税理士会・登録番号109556号)
  • AFP(認定番号51535999)
  • プロコーチ(GCS認定コーチ・認定番号1406SJ0951)

■ 著書・執筆実績

  • 『社長と会社にお金が残る仕組みの作り方 ダイヤモンド財務戦略』(エベレスト出版)
  • 『同族会社のためのダイヤモンド財務3つのポイント』(日本コンサルティング推進機構)
  • 『企業再編・組織再編入門』(日本実業出版社・共著)

■ メディア掲載・出演実績

  • 日本経済新聞:書籍「ダイヤモンド財務戦略」掲載(2025年12月1日・2026年6月4日)
  • 日本歯科新聞(アポロニア21):特集インタビュー掲載(2025年9月)
  • 近代中小企業:3ヶ月連続連載「社長がお金の落とし穴にハマる理由」ほか(2019年)
  • その他:FM-FUJI、海外投資新聞、Webメディア「社長の履歴書」など多数

■ 講演実績

  • 主催セミナー:ダイヤモンド財務の実践法セミナー(70回以上開催)・「新春三大経営戦略」特別セミナー(2026年1月)
  • 商工会議所:岡山、千葉、宇都宮、新潟、富山黒部、群馬渋川、埼玉浦和など全国多数
  • その他:中小企業家同友会(町田、荒川)、株式会社識学他民間企業など多数