【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 事業承継

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同族社長が相続対策で大切にすべきこと

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第373話:同族社長が相続対策で大切にすべきこと

「舘野先生、急なことですが母が先日他界しました。今思えば、1年前から色々と財産承継や相続対策をしておいて良かったです。あのまま何もしてなかったらと思うと、ゾッとします。」お疲れの様子ではありながらも、少しホッとした表情のとある関西地方の3代目社長さんからの一言です。

当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関(社長と会社にお金が残る仕組みづくり)なので、全国各地より、同族会社の社長さんから会社経営にまつわるお金の悩みのご相談が寄せられます。

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事業承継や相続対策はとにかく「先手」が大事

会社は、事業が永続する限り100年でも200年でも続きます。一方で、人間には寿命がありますから、いつかお別れの時期は必ずやってきます。さみしいことではありますが、人間である以上こればかりは致し方のないことです。

これから迎える夏の暑い時期や冬の寒い時期などは、誰にとっても体力的に厳しい時期なのですが、特に、ご高齢の先代社長世代の方々にとっては、体力的に持ちこたえるのが難しい時期でもあり、例年「相続」が発生します。

相続が発生してから「どうしたらいいのでしょうか?」とご相談をお受けすることがあります。しかしながら、相続が発生した後では、対策というものはほとんど選択肢が限られているため、「もっと早く相談していただけたら…」と残念に思うことが多々あります。

特に、同族企業の事業承継に関しては、単純に「社長が交代する」という話ではなく、その水面下には、株式の承継だったり、事業用資産の承継だったり、古参社員や親族従業員の扱いだったりと、実にデリケートで一筋縄ではいかない問題が潜んでいます。

さらには、同族会社には、同族会社ならではの特性があります。だからこそ、出来る限り問題の芽が小さい段階で、デリケートで複雑な問題と向き合い、課題解決のための一手を打つことが重要なのです。

この点を安易に考えて、見切り発車で物事を進めてしまうと、後々手痛いしっぺ返しが待ち受けています。中でもよくある失敗例としては、税金のことだけを考えて進めてしまうケースです。

事業承継の場面では、どうしても税金の問題があります。ここで、特に気を付けなければならないことは、税金だけが問題ではないという視点を社長自身が持つことです。

税金だけを考えた相続対策は争続のモト

大変厳しい表現になってしまいますが、社長自身が何も考えることなく、無策なまま顧問税理士に依存していると、後々取り返しのつかないことが起きます。

実際に、当社にも、「顧問税理士の話を鵜呑みにしてたら、経営が苦しくなった…」「顧問税理士の間違ったアドバイスのせいで、ひどい目にあった…」という社長さんが数多く訪れます。

念のため申し上げますが、全ての税理士がダメというわけではありません。ここで大切なことは、そもそも社長が税理士の専門領域を正しく理解しているか、どうなのか…です。

具体的には、社長が知っておかなければならないのは、「税理士はあくまでも税金の専門家」ということです。多くの税理士は、税金の立場からアドバイスをしています。

ですが、事業承継の局面においては、税金の問題はあくまでも表面的に見える問題の一部です。それが全てではありません。

いかに親族間での争いを未然に防ぎ、財務的にもより良い状態で承継するにはどうすべきかなど、他にも解決しなければならない問題があるということに社長が気づいているかどうかなのです。

それに、多くの税理士は、「財務」を知りません。財務を知らないまま「税金」だけ考えたアドバイスを鵜吞みにしたら、どうなってしまうか…ということです。

もちろん誰に相談するかは、社長が自由に決める話です。ですが、そもそも論の話で、相談相手を間違えている…、これではどうしようもありません。

会社と家族を守るために事業承継・相続対策を

大切なことなのであえて申し上げますが、税理士は、「過去」のお金の流れをみて税金の計算をする「税金の専門家」です。

したがって、会社の「未来」のお金のことを相談しても、正しい答えは返ってこないのです。事業承継の話は、過去だけでなく「未来」を見据えての意思決定なのです。

それに対して、財務は、「財産管理の実務」です。つまり、「未来」に向かって、社長と会社にお金が残る仕組みづくりをすることです。あくまでも、税金は支払うものであるのに対し、財産は、残して増やすものです。

大切なことなのであえて申し上げますが、会社を守り、社員や家族の生活を守れるのは、ただ一人、「社長だけ」です。会社のリーダーであり、家族のリーダーでもある社長こそ、財務の視点から会社の未来を考えて、事業承継・相続対策も先手先手で実行すべきなのです。

ダイヤモンド財務の社長は、先手先手で事業承継・相続対策を考えて実行に移します。先代社長や兄弟・姉妹などのあらゆる人間関係を配慮した上で、火種を先に潰します。

ガラス財務の社長は、火種の存在に気づきながらも見て見ぬふりをします。いざ相続が起きた時には、手に負えない状態にまで悪化していて途方にくれることになります。

社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。

あなたは今、社長としてどんな未来をつくりたいですか?

 

ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛

 

 

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