【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す経営財務

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上手くいっている次世代経営者の財務思考

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第23話:上手くいっている次世代経営者の財務思考

「舘野先生、うちの会社はお蔭様で事業も順調なのですが、将来を考えると新しい事業の柱を早い段階で準備しておく必要があると思うんです。そのために、今のうちから会社経営にまつわるお金のことを勉強しておきたいんです。」・・・これから事業承継を控えているある経営に前向きな後継社長さんからのご相談です。

今は時代の変化が早く、事業のライフサイクルが年を追うごとに短くなってきた・・・と感じられている経営者も多いのではないでしょうか。5年前10年前の常識が、今の非常識ということだってよくあることですし、逆にいうと、5年前10年前と同じ仕事の仕方をしていたら、あっという間に時代の変化に取り残されてしまいます。

だからこそ、日々本業を磨き上げる経営努力をしていく一方で、刻々と移り変わる時代の変化に対応し続けるために、新たな投資を続けていく必要があるのです。

特に、長く勝ち残っている経営者ほど、時代の変化に敏感で、常にリスクをとって挑戦をし続けています。それも、予めリスクをとれる万全の体制を整えて、緻密な計算の上で大胆なリスクのとり方をしているのが特徴です。

真に会社の成長に繋がる投資というものは、往々にして即効性があるものではありません。どちらかというと、中期・長期での長い年月をかけてタネをまき、水をやり、芽が出るまでじっと待ち続けなければなりません。

そして、特筆すべきことは、成功している経営者ほど、一見順調に見える経営状態の中においても、常に5年後、10年後の世界を見据えて、健全な危機感のもと、常に収益の柱となるタネをまき続けている点です。

そして、これこそが真のリーダーであり、永続的な成功繁栄は、経営者の地道で愚直なまでの努力のもとに築かれているものなのです。

逆に、経営が苦しくなる経営者は、知らず知らずのうちに現状維持思考に陥り、業績が悪くなってきたらその場しのぎのコストカットや経費削減に終始します。

しかし、これでは抜本的な経営改善に繋がることはありません。仮に、抜本的な経営改革を試みようとしても、「今まではそんな事例はない」「そんなことをしたらご先祖様に申し訳ない」と考え、やらない理由から考えます。

ですが、上手くいっている経営者ほど、過去の成功体験や事例にこだわることなく、常に将来を起点に考え、自社の経営状態を数値情報に落とし込んで冷静に判断します。数値情報に基づいて経営の舵取りを行い、将来の事業のタネを先行投資という形でまき続けていくのです。

そして、その根底には、「絶対に会社を潰さない」という経営者としての本気の覚悟があるのです。

言うまでもなく、経営者にとって最も重要な責務は「会社を潰さないこと」です。
そして、そのためには、経営者自らが常に挑戦をし続けて、あえてリスクをとる意思決定や決断をしていく必要があるのです。

経営者が挑戦することを避け、リスクを必要以上に恐れて現状維持に徹してしまったら、いずれ事業は尻すぼみとなり、ただただ閉塞感だけが漂う組織に成り下がってしまうということは、想像に難くはありません。そうならないためにも、経営者は、意識して「先行投資」を重視する行動を、予算という形で表現していく必要があるのです。

当然ながら、ただ単にリスクをとれば良いという訳ではありません。
「投資」と「投機」が異なるのと同じように、チャレンジとギャンブルは異なります。

自社の将来の成長に繋がるように、勝算を極限まで高め、仮に、万が一とったリスクが顕在化して失敗に終わってしまったとしてもビクともしない、むしろその経験を次の成功の糧に繋げるぐらいの確固たる財務基盤を予め築いておくのです。

逆にいうと、自社がとれるリスクの許容度を予め的確に把握しておくことも、経営者として重要な責務なのです。

よく「社長とナンバー2の間には、天と地ほどの差がある」と言われますが、社長が抱えている苦しみや悩み、社員に対して負っている責任や事業に対する危機感などは、現実問題として実際のところ、社長にしかわからないものです。だからこそ、社長は、それらをすべて踏まえたうえで「財務中心の会社づくり」を意識的に行っていく必要があるのです。

あなたの会社は、リスクとるための確固たる財務基盤がありますか?
 財務中心の会社づくりで、攻めの経営判断ができていますか?

 

ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛

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社長と会社にお金が残る仕組みづくりの専門家

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