【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す財務

当コラムは、「事業は順調なはずなのに、なぜかお金が残らない」「節税して税金から『会社』と『財産』を守りたい」「銀行対応で失敗したくない。借金を減らしたい」「無策なままの事業承継・相続対策。将来が不安」とお考えの同族会社のオーナー社長・二代目社長向けのコラムです。
「お金を残す財務」「節税対策・税金対策」「銀行対策・銀行融資」「事業承継・相続対策」に関する気づきやヒント、エールをお伝えします。(毎週水曜日更新)

強い貸借対照表をつくる後継社長の考え方

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第111話:強い貸借対照表をつくる後継社長の考え方

「舘野さん、ウチの会社の貸借対照表は、一見すると、随分たくさんの資産があるように見えるんです。でも、個々の内容を確認していくと、実際のところは『よくわからないもの』が次から次へと出てきてしまって・・・。よくもまあ、こんなに長い間、誰も内容がわからないものが計上されていたなぁ~と驚きました。」数年後の社長就任を控えている、とある東北地方の二代目社長の一言です。

当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関ということもあって、社歴の長い会社の後継社長さん方からのご相談をお受けする機会が多いのですが、社歴の長い会社には、社歴の長い会社ならではの特徴だったり、お困りごとがあったりするものです。

特に、貸借対照表に関しては、よくよく調査をしていくと「不明な資産」や「実態の伴わない資産」が次から次へと出てくるもので、決して珍しい話ではありません。これは、どんなに小さな会社であっても必ず・・・と言い切ってしまってもいいぐらい、少なくとも1つは出てくるものです。

多くの社長にとって敬遠されがちな貸借対照表。しかし、後継社長こそ、まずは自社の貸借対照表を正しく理解し、その上で、一日も早く正しい経営判断を下すためのツールとして、貸借対照表を活用すべきなのです。

なぜなら、貸借対照表に比べて損益計算書は、多くの社長にとって、非常に関心が高いものであり、しかも、表示されている数値情報そのものも売上から費用を差し引いたものですから、日頃、決算書や財務などになじみのない社長であっても、なんとなくイメージがわきやすいという特徴があります。

しかし、損益計算書は、あくまでも一事業年度における儲けを示すものです。したがって、一過性のものでしかありません。次の期になったら、またリセットされて、ゼロから数値が積み上げられていくという特徴があります。

それに対して貸借対照表は、決算時点における資産と負債の状態を表したものになりますから、創業時から積み重ねてきた歴史そのものが数値情報としてあらわれてくるのです。そうなってくると、先代社長自体に購入した資産だったり、場合によっては、その前の代の社長が購入した資産だったり・・・と、何十年も会社に「資産」として計上されているものが出てきたりするものです。それに、資産だけではなく、負債も同様に過去からの積み重ねで引き継がれていきますから、負債の中身についても精査が欠かせません。

したがって、先代社長から経営のバトンタッチを受けるというタイミングは、自社の貸借対照表を見つめ直す絶好のチャンスであるともいえます。しかし、ただ見つめ直すといっても、漠然と中身を見ればよいというわけではありません。

大切なことは、「その資産・負債は、自社にとって必要なものなのか?妥当なものなのか?」という判断基準をもつことです。

なぜなら、会社経営の本質は、突き詰めて考えていくと「最小の元手で、最大の利益を稼ぐ」という原理原則にあります。したがって、あくまでも事業として会社を経営している以上は、貸借対照表上に計上されているものは、収益に貢献するものであってしかるべきなのです。

ところが社歴の長い会社ほど、バブルの時代に購入した「事業に直接関連しないような資産」や、「そもそも使っていないような資産」などの負の遺産が、いまだに貸借対照表上に残っているものです。したがって、これから事業を承継する後継社長は、まずは、自社の貸借対照表がどのような状態になっているのかを正しく認識することからはじめるべきなのです。

少ない資産で、多くの利益が稼げる会社は、いうまでもなく経営効率が高く、経済環境の変化にも迅速に対応することができます。したがって、財務中心の会社づくりに成功している会社の社長は、できる限り資産を持たない「持たざる経営」を目指しているものです。

その一方で、収益に貢献する資産ならまだしも、収益に全く貢献しないような資産を一所懸命に買い集めているような会社もあります。社長個人に余剰資金があって趣味で買うぶんには個人の自由の問題ですが、会社で買えば当然貸借対照表上に「資産」として計上されます。そうなると、貸借対照表が肥大化して、ROAなどの財務指標も悪化します。

腕のいい金融機関の融資担当者やプロの職業会計人などは、決算書の情報から瞬間的に「どんな会社なのか?社長なのか?」をイメージします。その時に、収益に貢献しないような資産や社長の個人的な趣味と思われる資産が計上されていたり、内容のわからない勘定科目が並んでいたりする貸借対照表であれば、その会社と社長のことをどう考えるか・・・です。

財務を強化する上で貸借対照表は不可欠な要素ではありますが、それ以前に貸借対照表は、「会社の顔」「社長の顔」と表現されるぐらい、会社の方針や社長自身の価値観や考え方が数値情報として表れてしまう、ある意味怖いものでもあります。したがって、社長はその点を正しく理解した上で、強く美しい貸借対照表に磨き上げる術(スベ)を身に着けることが重要なのです。

あなたは社長として、自社の貸借対照表を正しく理解できていますか?
あなたの会社の貸借対照表は、誰に見せても恥ずかしくない内容のものですか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛

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