【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す経営財務
あなたも「事業は順調なのに、お金が残らない…」「銀行借入が思うように減っていかない…」「経営判断に基軸がないから、迷ってしまう…」と悩んでいませんか?
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「決断できる社長」と「決断できない社長」の違い
第203話:「決断できる社長」と「決断できない社長」の違い
「舘野先生、これまでずっと同じことで悩み続けてきたのですが、覚悟をもって決断したことで、気持ちがとてもスッキリしました。」とある関西地方の2代目社長さんからのご相談です。
当社は、同族会社と社長の財産管理(お金が残る仕組みづくり)実務の専門機関なので、実に、様々な会社経営にまつわるお金の相談ごとが寄せられます。会社の数だけお悩みの種類も多種多様…といったところですが、その中でも、2代目社長・3代目社長などの後継社長から多く寄せられるご相談ごとがあります。
具体的には、
「どうやって、経営判断を下したらいいのかわからない…」
「経営判断の基軸になるようなものがないから、いつも迷ってしまう…」
「自信を持って決断ができるようになりたいが、どうしたらいいかわからない…」
といった決断に関するお悩みです。
社長の仕事は、「決断すること」
いうまでもなく、社長の仕事は、「決断すること」にあります。社長が然るべきタイミングで、正しい決断を下せない会社は、いつまで経っても「その場しのぎ」・「成り行き任せ」の状態から抜け出せません。
特に、2代目社長や3代目社長の場合には、社長になった瞬間からたくさんの資産や負債、取引先や従業員を背負っての船出になりますから、決断をするにあたっては「しがらみ」が根底に深く根を張っているというケースが多々あります。そんなこともあって、なかなか一筋縄ではいかないものなのです。
創業社長の場合は、ゼロから事業を立ち上げて、何のしがらみもない中で自由に会社を成長させてきたという方が大半です。それに、良くも悪くも、決断の結果は、社長である自分自身に跳ね返ってきます。したがって、自ら創業した社長なら、自ずと腹のすわりとでもいいますか、社長としての覚悟が自ずと備わっていますので、スパッと決断できる方が多いものです。
しかし、後継社長の場合は、そう簡単にはいきません。後継社長の場合は、良くも悪くも創業社長から受け継いだ事業基盤が既にあり、様々なしがらみの中で経営の舵取りをすることを余儀なくされます。したがって、決断をするにあたっての、そもそものベースが創業社長の場合と大きく異なってくるのです。
さらに、「成り行きでそのまま社長に就任した後継社長」や「他に引き受け手がいなくて渋々社長をやる羽目になってしまった後継社長」の場合は、さらにハードルが高くなります。なぜなら、経営判断の基軸となるものを用意する準備期間もなければ、社長としての覚悟を磨くプロセスを経ていないため、その苦労は想像を絶するものがあるのです。
社長が決断しない限り、経営は良くならない
しかし、決断を先送りすればするほど社長である自分自身が苦しくなっていきます。それに、これまでの経験上、創業30年以上の会社の場合は、「ある二つのこと」については、必ずと言ってもいいぐらいに決断を迫られることになります。その時に、正しい決断を下せるかどうかで会社と会社の未来が変わるといっても過言ではないのです。
まず、一つ目の決断は、事業に関する決断です。創業して30年以上経過しているような場合は、必ずと言ってもいいほど既存事業のスクラップ&ビルドが必要になってきます。その決断を下すためには、まずは、社長自身が「何を守って、何を手放すのか?」を決める覚悟が不可欠です。その上で、「攻める」「守る」「捨てる」経営判断を下すための経営判断のモノサシを社長自らが持つことが重要なのです。
それから二つ目の決断は、人に関する決断です。同族会社の場合は、同族一族の役員や高齢の古参幹部とどう折り合いをつけていくかという視点が欠かせません。後継社長に代替わりする段階で、一斉にバトンタッチ…となれば話は早いのですが、多くの場合はそうはいかないのです。そうなると、ここでも「何を守って、何を手放すのか?」を社長自身が明確にしておかない限り、前に進めなくなってしまうのです。
ダイヤモンド財務の社長は、決断することから逃げません。早く正確な経営判断を下すために「攻める」「守る」「捨てる」経営判断のモノサシを持ち、覚悟を持って決断します。
ガラス財務の社長は、決断することから逃げるのが上手です。「今までずっとそうだったから…」「今までのやり方は変えられない…」「そのうちきっと、よくなるはず…」といいます。
あなたは、会社の未来を守るために、自分自身が納得できる「決断」ができていますか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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