【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 銀行借入

あなたも「事業は順調なのに、お金が残らない…」「銀行借入が思うように減っていかない…」「経営判断に基軸がないから、迷ってしまう…」と悩んでいませんか?

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銀行借入を正しく活用する社長の考え方

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第401話:銀行借入を正しく活用する社長の考え方

「舘野先生、今まで売上を増やして、税金を減らして、足りないお金は銀行から借りればいいって思っていました。今考えると、とても怖い考え方だと思います…。早く気付くことができてよかったです。」とある中国地方の2代目社長さんからのご相談です。

当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関(社長と会社にお金が残る仕組みづくり)なので、全国各地より、同族会社の社長さんから会社経営にまつわるお金の悩みのご相談が寄せられます。

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銀行借入に対する間違った考え方

多くの社長さんは「売上を増やして、税金を減らして、足りないお金は銀行が貸してくれるから大丈夫」と考えています。

もちろん、銀行からお金を借りること自体は悪いことではありません。正しく活用すれば、会社の成長を手助けしてくれることでしょう。

一方で、『無借金経営』を目的にしている会社も存在します。これもまた、素晴らしい考え方ではありますが、『無借金経営』にこだわりすぎるのも問題です。

なぜなら、必要な時にお金を使えず、会社の成長を止めてしまう可能性があるからです。設備や広告費に投資すれば成長できるチャンスなのに、『無借金経営』にこだわることで、そのチャンスを逃してしまうのです。

だからと言って、むやみに借入をすればいいわけではありません。なぜなら借入は「自分でお金を貯めるまでの時間を買うもの」だからです。

生み出した時間を使って、利益が出る財務体質を整えたり、正しい節税対策をしたりと、会社にお金が残る状態にすること。

その結果、最終的に『無借金経営』が実現できていた、という状態を目指すべきなのです。

知らないうちに借入依存となる理由

ここで重要なことは、自社の資金の使い方や必要な額をしっかりと把握することです。

例えば、不動産業やホテル業などは、初期投資の金額が大きくなります。土地や建物に大きな投資が必要なため、全額を自己資金で賄うのは難しいでしょう。

また、卸売業や建設業では、売掛金や在庫の管理が重要です。取引先への支払いと、取引先からの入金のタイミングにずれがあるため、その間の資金をどう管理するかが鍵となります。

製造業では運転資金と設備投資のお金の両方を考える必要があります。材料の仕入れや人件費などの日々の運転資金に加え、機械設備への投資も必要になるため、より複雑な資金計画が求められます。

このように、業種によって様々ですが、銀行借入を活用した経営は、資金に余裕ができるまでは必要となります。

だからこそ、財務の視点を持ち、借入を無理なく計画的に返済していく「戦略」が重要なのです。

戦略を立てずに、必要以上に借入をしてしまうと、社長自らも気付かないうちに、「足りなくなったら借りればいい」という、借入依存になってしまうのです。

借入依存から抜け出す社長の共通点

その結果、「お金が足りなくなったら銀行から借りればいい」という考え方が普通になってしまいます。

そして、「運転資金を借入に頼らない状態にしよう」という話になると、多くの社長は「無理だ」と考えてしまうのです。

しかし、実際に会社の内情を調べてみると、簡単ではありませんが、借入依存から抜け出すことが現実的に厳しい会社は、そこまで多くはありません。

それなのに、なぜ、社長は「無理だ」と考えてしまうのでしょうか。

それは、変えられないのではなく、社長自らが「変えたくない」「面倒だ」「銀行に頼ればいい」というふうに考えてしまっていることが、大きな障害なのです。

このような考え方を変えることが、借入依存から抜け出す第一歩となります。

どんな業種でも、うまくいっている会社は存在します。お金の流れをうまく作り、銀行借入に頼らない経営を実現している会社も少なくありません。

そういった会社は、自社の財務状況を正確に把握しています。売上や利益だけでなく、キャッシュフローの状況も常に確認しています。

また、将来の必要な資金を予測し、計画的に資金を確保しています。そして、無駄な支出を削減し、利益率の向上に努めています。

興味深いことに、お金の管理が上手な会社の社長さんほど、さらなる改善を考えます。「もっと良くできないか」「他に方法はないか」と常に模索しています。

一方、借入に頼っている会社の社長さんは、改善の可能性を社長自らが諦めてしまっているのです。

ダイヤモンド財務の社長は、借入は一時的な手段であり、最終的には自己資金で経営できる状態を目指しています。借入に頼りすぎない、自由度の高い経営が可能になります。

ガラス財務の社長は、安易な考えで「とにかく手元にお金があればいい」と考えています。気付かないうちに借入依存や資金不足、赤字体質の悪循環に陥ってしまいます。

社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。

あなたは今、社長としてどんな未来をつくりたいですか?

 

ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛

 

 

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