【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 事業承継

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スムーズな事業承継を実現する重要なポイント

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第413話:スムーズな事業承継を実現する重要なポイント

「舘野先生、急なことですが、父が先日他界しました。実は、財産承継や相続対策を全くしておらず、社内もバタバタしており、一体、何から手をつければいいのか…。」先日セミナーに参加された、とある関東地方の3代目社長さんからのご相談です。

当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関(社長と会社にお金が残る仕組みづくり)なので、全国各地より、同族会社の社長さんから会社経営にまつわるお金の悩みのご相談が寄せられます。

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事業承継や相続対策は「早めの対策」がカギ

突発的な相続や事業承継が発生してから、「どうしたらいいでしょうか?」とご相談いただくことがあります。正直に申し上げると、「もっと早く相談していただけたら…」と残念に思うことが、多々あります。

なぜなら、相続が発生した後では、対策と言ってもできる選択肢が限られるからです。

事業承継についても同じです。本来事業承継とは、時間をかけて先代社長と後継社長が協力し、時間をかけて取り組むことで、スムーズな事業承継につながります。

特に同族会社の事業承継では、相続や税金対策などの「目に見える問題」だけではありません。古参社員との関係、親族従業員の処遇、株式の引継ぎ、事業用の資産の承継など、一筋縄ではいかない問題が山積みです。

だからこそ気をつけたいのが、税金のことだけを考えて事業承継を進めてしまうと、後々、大きな問題が起こる可能性があるのです。

確かに税金の問題は重要ですが、それだけではありません。人間関係や会社の将来を含めた、総合的な視点が必要なのです。

「目に見える問題」に限らず、また問題の大小は関係なく、しっかりと向き合って解決することで、後々の大きなトラブルになることを防ぐことができます。

同族社長にとって、相続対策は大事な仕事

相続が発生すると、税理士との関係も大切になってきます。税理士のアドバイスを上手に活用できるか、それとも言われるままに任せてしまうか。ここで明暗が分かれることも少なくありません。

大切なことなのであえて申し上げます。社長が自らの考えを何も持たないまま、すべてを税理士に任せきりにしてしまうと、後々取り返しのつかない事態に陥ることがあります。

実際、当社にも、「税理士の言う通りにしたら経営が苦しくなった」「顧問税理士のアドバイス通りに相続したら、親族間で争いになった」という相談も多く寄せられます。

ここで大切なのは、社長が税理士の専門分野を正しく理解することです。あくまでも税理士は、「税金」の専門家です。そのため、多くの税理士は税金の視点からアドバイスをします。

しかし、事業承継においては、税金の問題はほんの一部でしかありません。税金の問題よりも大切なことは、兄弟、姉妹、その他親戚を含めた、同族一族の中での争いを防ぎ、財務的にも良い形で引き継ぐにはどうすべきか。こういった課題に目を向けるべきなのです。

繰り返しになりますが、あくまでも税理士は、「税金」の専門家であって財務の専門家ではありません。財務の視点を持たないまま税金だけで判断すると、思わぬ落とし穴にはまる可能性があるのです。

事業承継成功のポイントは、「後継社長主導」にあり

しつこいようですが税理士の仕事は、「過去」のお金の流れを見て、税金を計算することにあります。一方で、事業承継は、会社の「過去」ではなく、「未来」を見据えた判断をしなければなりません。

その上で、財務は、社長と会社の「未来」に向かって、お金が残る仕組みを作ることです。税金は払うものであるのに対して、財産やお金は残して、増やすものです。視点が「過去」と「未来」ですから、考え方やアプローチも全く異なってきます。

会社と社員、家族を守れるのは「社長」だけです。そのためには「どうやって利益の出る会社にするか」「どうやってお金の残る会社にするか」を未来に向かって、日々、考え続けるのが社長の仕事なのです。

ダイヤモンド財務の社長は、後継者が中心となって事業承継を進めます。財務を基準に判断するため、スムーズに物事が進みます。

ガラス財務の社長は、他人任せで事業承継を進めます。対応が場当たり的なため、様々な問題が起きてしまいます。

社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。

あなたは今、社長としてどんな未来をつくりたいですか?

 

ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛

 

 

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