【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す会社財務

当コラムは、「事業は順調なはずなのに、なぜかお金が残らない」「節税して税金から『会社』と『財産』を守りたい」「銀行対応で失敗したくない。借金を減らしたい」「無策なままの事業承継・相続対策。将来が不安」とお考えの同族会社のオーナー社長・二代目社長向けのコラムです。
「お金を残す会社財務」「節税対策・税金対策」「銀行対策・銀行融資」「事業承継・相続対策」に関する気づきやヒント、エールをお伝えします。(毎週水曜日更新)

次世代経営者が知っておくべき資金の仕組み

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第15話:次世代経営者が知っておくべき資金の仕組み

「節税対策のために勧められた保険商品や固定資産の購入をした後、キャッシュフローが回らなくなった・・・」「仕事は忙しいのに、稼いだお金はすべて銀行の借入返済に回されて、どうも会社にお金が残らない・・・」「店舗拡大を進めたら、支払ばかりが先行して、さらに売上も思うように伸びず資金ショート寸前・・・」経営に行き詰まる多くの会社は、売上規模拡大や無計画な資金調達、目先の節税対策などに一生懸命になるあまり、本質的な資金管理を知らないまま経営の舵取りを進めている傾向にあります。

そして、その最たるものが「黒字倒産」というものです。
言い換えるならば、「勘定合って銭足らず」といった状態です。

会計上、黒字とは、利益を計上できている状態のことをいいますが、利益はキャッシュとは違ってあくまでもPL(損益計算書)上の概念になります。仕入も売上もキャッシュで行っているビジネスであれば、PL(損益計算書)上の利益とキャッシュが一致してきますが、信用取引(例えば売掛金・買掛金・受取手形・支払手形など)でビジネスを行っていれば、代金の入金や支払にタイムラグが生じてくるため、当然ながら、利益とキャッシュにズレが生じます。

商品が売れて売上計上があったとしても、入金までの時間が長く、先に仕入代金や人件費の支払をしなければならない場合、最悪の場合には黒字倒産になってしまいます。特に、会社の成長期において売上が増大し、結果として売掛金が大きく増えたときこそ、手元キャッシュフローの最適化が必要となってくるのです。

なぜなら、売掛金の回収期間が買掛金の支払期間に比べて長いと、資金が枯渇し、一気に資金ショートしてしまうからです。というのも、キャッシュが、売掛金や買掛金などの債権に変わってしまったため、手元にはお金がないという状況に陥ってしまうのです。

特に、買掛金ならまだしも、支払手形を相手に渡しておきながら期日までに資金を準備ができていないとどうなるか・・・。不渡手形を出してしまうと、様々な面で事業継続が難しくなってきます。ですから、そのような状態に陥らない様、あらかじめ対策を講じておくことが重要なのです。

営業活動で入ってくるキャッシュ、仕入や経費支払で出ていくキャッシュ、その結果、月間の収支でキャッシュが不足してしまいそうであれば、事前に銀行から繋ぎ融資の依頼をしておく必要があります。ですが、最近では、利益を出してはいるもののキャッシュバランスの悪い会社には、銀行も融資に対して慎重です。

なぜなら、銀行が最も重視しているのは、「貸したお金が返ってくるのか?」だからです。だからこそ、最も重要なことは、つなぎ融資を受けなくてもキャッシュが回る経営状態を、自らの自助努力で創りあげていくことなのです。

自社のキャッシュがどのように循環しているのか、キャッシュ循環の構造が根本的に良くない場合は、早期に是正する必要がありますし、できる限りキャッシュコンバージョンサイクル(在庫回転日数+売掛債権回転日数―仕入債務回転日数)を短くするなどして、極力資金が寝ないよう対策を打っておく必要があるのです。

あなたの会社は、意識して資金が寝ないような仕組みづくりをしていますか?

舘野愛

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