【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 お金を残す経営財務

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「高収益」を稼ぎ続ける社長の財務中心思考

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第50話:「高収益」を稼ぎ続ける社長の財務中心思考

「舘野先生、日本の中小企業の約7割が赤字経営って言われていますよね。でもね、私は、そもそも根底に社長自身の姿勢にも、大きな問題があると考えているんですよ。」先日、ある経営者仲間の会合でお目にかかった70代のオーナー社長さんの一言です。

そのオーナー社長さんは、とても70代には見えないぐらいに元気溌剌で、まさに太陽のようなお人柄だったのですが、よくよくお話を伺ってみると、その社長さんの会社は「市場規模が縮小均衡傾向にある衰退産業」と、まさに苦境が叫ばれている業界でした。そんな厳しい経営環境下にありながら、高粗利・高収益を叩きだしているとのこと。

高粗利・高収益という言葉尻だけ捉えると、「そんな会社、どこにあるの?」「そんなの特別でしょ?」という声が聞こえてきそうです。しかしながら、その会社さんも、元々ある大手企業の下請企業だったそうで、長らく思考錯誤を繰り返してきたのだそうです。

いわゆる「プロ」の下請企業に徹して、元請企業と共に運命を共にするというのも一つの選択肢ですし、何もそれ自体が決して悪いというわけではありません。どの土俵で戦うのかを決めるのは社長の意志と覚悟次第です。

しかしながら、今の時代は、経済環境の変化が激しく、元請企業自体も事業永続させるのが難しいのも実情です。下請企業側が、元請企業側を「運命共同体」であると信じていても、もしもの時には「背に腹は代えられない」とのことで、いとも簡単に関係が解消されてしまう・・・そんな話は枚挙に暇がないことを皆さんはご存じのはずです。

ですから、社長は、「自社のビジネスの主導権がどこにあるのか?」ということを最も重視して経営の舵取りを進めていかなければならないのです。自社でしかでないオンリーワンの独自技術・商品を確立して、儲からない仕事(利益の出ない仕事)に手を出さない・・・、つまりどうしたら「儲かって、潰れない会社になるのか?」「利益を出して、お金が残る強い財務体質を築くためにはどうしたらいいのか?」を日夜考え続けなければならないのです。

このオーナー社長さんも、いわゆる下請企業ならではの苦しい時代をご経験された結果、「このままではいずれ経営が立ち行かなくなる。いつまでも相手に主導権を握られたままでは経営が安定しないし、自分の代で会社をたたむことになりかねない。」と痛感したそうです。

そこで、一念発起をして、下請型の事業構造を卒業し、自社の強みを徹底的に磨きあげることを決断されたそうです。その時の状況を例えるならば、「美味しくない砂糖に群がるアリ」と自社のことを笑っておられましたが、今では「美味しい砂糖を自ら作り出せるアリ」です。

このオーナー社長さんが自社の事業構造を大きく転換することができたのは、いうまでもなく、「自社の現状を数字で正しく把握することができたから」です。自社の現状を客観的な目線で冷静に判断することができたからこそ、大きな決断を勇気を持って下すことができたのです。

もし、このオーナー社長さんに「正しい経営判断を下すための経営のモノサシ」がなかったとしたら、どうでしょうか?

きっと今でも、「いつも忙しいのに、なぜかお金が残らない・・・」いつまでたっても漠然とした会社経営にまつわるお金の不安を払拭することが出来ず、抜本的な経営改善に繋がる「次の一手」を打つことはできなかたことでしょう。

社長にとって最も重要な仕事は、「自社の経営状態を正確に認識した上で、将来を見据えた正しい経営判断を下すこと」にあります。自社をとりまく環境がどのように変化し、その結果自社の月次損益の状況がどのように推移しているのか・・・、業績低迷の原因を安易に外部要因と決めつけることほど危険なことはないのです。

もし、あなたの会社が「売上減少」や「コスト増大」などで厳しい経営環境下にある、あるいは、今後そのような状況になりつつあると感じられているのであれば、その根本原因をしっかりと分析して善後策を練らなければならないのです。

会社の規模が大きければ大きいほど、改革には時間がかかります。だからこそ、社長は会社内の誰よりも市場の変化に敏感でいなければならないのです。自社の現状を毎月正しく認識し、その上で「攻める経営」「守る経営」「捨てる経営」を実践していくことこそが、高粗利・高収益経営を永続させていくための第一歩なのです。

あなたは、自社の現状を正しく認識していますか?
 高粗利・高利益を実現する儲かる事業構造になっていますか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛

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社長と会社にお金が残る仕組みづくりの専門家

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