【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 資産形成

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同族経営に必要な資産形成の視点

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第430話:同族経営に必要な資産形成の視点

「舘野先生、個人の資産形成をどう進めればいいのかわかりません。会社のお金、個人のお金、家族のお金と、それぞれどのように資産形成をすればいいのか、全くわかりません…。」とある四国地方の3代目社長さんからのご相談です。

当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関(社長と会社にお金が残る仕組みづくり)なので、全国各地より、同族会社の社長さんから会社経営にまつわるお金の悩みのご相談が寄せられます。

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同族経営における資産形成の意義

同族経営の資産形成は、一般的なサラリーマンの資産形成とは根本的に異なる特殊性があります。

なぜなら、同族会社では「会社の資産」「社長個人の資産」が密接に関わり合っているからです。

多くの同族社長は、会社経営に追われるあまり、この2つの資産を別々に考えがちです。しかし、これは大きな間違いです。同族会社では、これら2つの資産を一体的に捉え、戦略的に資産形成を行うことが重要なのです。

例えば、会社の業績が好調で多額の利益が出た場合、単純に法人税を節税するだけでは不十分です。その利益を「会社に残すべきか」「役員報酬として個人に移すべきか」という判断が必要になります。

また、同族経営では事業承継という大きな課題があります。次世代にスムーズに事業を引き継ぐためには、株式の評価を適正にコントロールしながら、同時に承継後の経営資金も確保しなければなりません。

このように、複雑な判断を適切に行うためには、財務の視点から同族経営特有の資産形成戦略を理解することが不可欠です。同族会社の特性を活かした資産形成を理解することが重要なのです。

社長が知っておくべき資産形成の考え方

同族会社において「お金をどこに残すか」の判断は、税務上の効果だけでなく、将来的なリスクや事業戦略まで考慮する必要があります。

「会社にお金を残す」場合、事業の安定が見込めます。十分な内部留保があれば、自分ではコントロールできないような経済危機や、急なトラブルで設備投資が必要になった場合でも、自社の資金で対応することができます。

また、法人税率は個人の所得税率よりも低い場合が多いため、利益を会社に残した方が、税務上も有利です。

しかし、デメリットもあります。会社の資産が大きくなりすぎると、株式評価が高くなり、事業承継時の相続税負担が重くなってしまいます。

役員報酬として「個人にお金を移す」ことも、とても大切になります。会社の利益に対して、適正な役員報酬を受け取ることで、個人の生活費はもちろん、個人的な投資や家族への支援をすることができます。

ただし、高い所得税率が適用されるため、税負担は重くなります。また、個人で受け取った資金を投資する場合、適切な税務コントロールをしないとそこでさらに税金がかかります。

それぞれのメリット・デメリットを社長自らが正しく理解した上で、戦略を持って資産形成を行うことが、事業と個人の資産を作る社長がやるべき、大切な業務の1つなのです。

会社と個人、それぞれの投資戦略

同族経営における資産形成では、会社・個人それぞれで投資戦略を設計することが重要です。同族会社だからこそできる自由度の高い資産形成がある一方で、放っておくと大きな問題を抱えることになります。

例えば、会社での資産形成では、法人税率での運用と投資の自由度が高いというメリットがあります。余剰資金を投資信託で運用すれば、個人よりも低い税率で資産を増やせます。

個人での資産形成は、自由度が最も高い反面、税負担も重くなります。役員報酬として受け取った資金をNISAやiDeCoで運用すれば、税制優遇を受けながら資産形成ができます。

同族会社の資産形成で最も重要なのは、これら2つの戦略をバランス良く設計することです。放っておくと、税務上の問題や家族間のトラブル、事業承継の支障など、様々な問題が発生します。

だからこそ、社長自身がしっかりとした設計図を描き、計画的に資産形成を進めることが不可欠なのです。同族会社だからこそできる自由度の高い資産形成を活かすためには、正しい知識と明確な戦略が必要です。その設計こそが、同族経営の最大の強みを活かす鍵となります。

ダイヤモンド財務の社長は、同族経営の特殊性を理解し、会社・個人の資産を一体的に捉えた戦略的な資産形成を行います。長期的な視点で計画的に資産を築き、次世代への円滑な承継を実現します。

ガラス財務の社長は、目先の利益にとらわれ、同族経営の特殊性を考慮しない場当たり的な資産形成を行います。その結果、事業承継の際に大きな問題を抱えることになってしまいます。

社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。

あなたは今、社長としてどんな未来をつくりたいですか?

 

この記事の執筆者:舘野 愛(同族会社専門 ダイヤモンド財務®コンサルタント)

 

 

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舘野 愛

この記事の監修・執筆者

舘野 愛(Tateno Ai)

ユメリアコンサルティング株式会社 代表取締役

同族会社専門 ダイヤモンド財務®コンサルタント

法政大学経営学部卒業後、中央青山PwCコンサルティング株式会社、税理士法人みらいコンサルティングを経て現職。財務顧問部の責任者として数多くの同族会社の支援(経営財務・事業承継・企業再生など)に従事。ある同族会社の倒産を目の当たりにした経験から、「財務は会社と社長一族の命運を左右する」と痛感し、日本初の同族会社専門コンサルティング会社を設立。

20年以上にわたり1,300人以上の同族社長を指導。売上や借金を増やさずに1年で手元資金を2倍にした事例や、実質無借金経営の実現、相続税の9割圧縮など、あらゆる角度からお金の悩みを解決する「ダイヤモンド財務®」プログラムを開発・指導している。2017年・2020年には「日本の専門コンサルタント年鑑」で厳選実力者として紹介される。

■ 保有資格

  • 税理士(東京税理士会・登録番号109556号)
  • AFP(認定番号51535999)
  • プロコーチ(GCS認定コーチ・認定番号1406SJ0951)

■ 著書・執筆実績

  • 『社長と会社にお金が残る仕組みの作り方 ダイヤモンド財務戦略』(エベレスト出版)
  • 『同族会社のためのダイヤモンド財務3つのポイント』(日本コンサルティング推進機構)
  • 『企業再編・組織再編入門』(日本実業出版社・共著)

■ メディア掲載・出演実績

  • 日本経済新聞:書籍「ダイヤモンド財務戦略」掲載(2025年12月)
  • 日本歯科新聞(アポロニア21):特集インタビュー掲載(2025年9月)
  • 近代中小企業:3ヶ月連続連載「社長がお金の落とし穴にハマる理由」ほか(2019年)
  • その他:東京商工会議所(東商社長ネット)、海外投資新聞、FM-FUJIなど多数

■ 講演実績

  • 主催セミナー:「新春三大経営戦略」特別セミナー(2026年1月)
  • 商工会議所:岡山、千葉、宇都宮、新潟、富山黒部、群馬渋川、埼玉浦和など全国多数
  • その他:中小企業家同友会(町田、荒川)、民間企業など多数