【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 事業承継・相続対策

当コラムは、「事業は順調なのに、お金が残らない…」「会社のお金の流れがわからない…」「経営判断の基軸になるものがない…」「税金からお金を守りたい…」「銀行対応で失敗したくない…」「無策なままの相続対策を何とかしたい…」このようなお悩みを抱えた同族会社のオーナー社長・2代目社長のための専門コラムです。(毎週水曜日更新)

「経営計画がない会社」が陥る落とし穴

第153話:「経営計画がない会社」が陥る落とし穴

「舘野さん、先日、父に、経営計画を作りたいって言ったら、『そんなものはなくたって大丈夫だよ』っていわれてしまったんです。どうやら、これまで一度も作ったことがないみたいで、むしろあんまりピンと来ていない感じでした。」これから社長就任を控え、目下、急ピッチで財務中心の会社づくりに取り組まれている、とある三代目社長さんの一言です。

当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関ですので、いわゆる中堅・中小企業の後継社長さん方が多くお見えになります。ご相談にお見えになられる方々に対して、現状の「財務」の状況を確認・点検させていただくという意味もかねて、「経営計画などは、作成されていますか?」というお話を毎回伺っています。すると、例えば、100人の社長がいたら、99人の社長が「そんなものは見たことがありません」とか、「銀行からお金を借りるために、中小企業診断士の人がつくってくれたものがあります」といった旨のお話をされます。

つまり、同族会社の99%が、「経営計画」を作成していないといっても過言ではないのです。特に、高度経済成長の波に乗って会社を大きくしてきた社長の場合は、クチをそろえてこのようにおっしゃいます。

「経営計画なんてなくても、経営はできるよ・・・」
「将来のことなんてわからないから、意味がない・・・」
「数値計画は、専門家に任せておけば大丈夫だ・・・」

しかし、これらはすべて間違いです。

あくまでも、会社の未来は、過去の延長線上にあるものではありません。少なくとも、社長という職責を担っている以上は、「過去」からの成り行きや勘・経験・度胸だけで会社の「未来」を考えるべきではないのです。大切なことは、社長自らの手で会社の「未来」を切り拓くという発想であり、そのための「財務戦略」を社長自身が持つことなのです。

大企業であれば、経営企画部などの部署があって、そこで経営計画をつくってくれますが、それは、どちらかというと、第三者に公開をしなければならないので必要に迫られてといった側面が非常に強いようにも感じられるものです。具体的には、上場会社であれば、投資家や金融機関などの利害関係者に対して、「中長期ビジョン」や「IR情報」などの情報を定期的に公開していますが、中身があるものがあれば、体裁だけ整えている?ように感じられるものもあります。

その一方で、同族会社の場合は、第三者から「経営計画を出してください」といわれることが滅多にありません。もし、あるとしたら、銀行からだったり、あるいは、補助金や助成金を申請したりする場面ぐらいでしょうか。そんなこともあって、どうしても経営計画イコール単なる数字の書類というイメージが強いのです。

しかし、中堅・中小企業、同族会社であっても、経営計画は作成すべきなのです。なぜなら、「経営計画のない会社」と、「経営計画のある会社」とでは、明らかに「経営計画のある会社」の方が、強い財務の会社が多いからです。

ただし、ここで大切なことは、あくまでも「社長自らが作った経営計画」でなければ、意味がないということです。経営計画があったとしても、それが外部の第三者によって「銀行融資を目的に作成されたもの」や「補助金・助成金を目的に作成されたもの」であれば、そもそもの数字の前提が「結果ありき」で作成されてしまっているからです。

強く永く続く会社の社長は、社長自らの手で「経営計画」を毎年作成しているものです。経営理念や行動指針にはじまり、行動計画や数値計画まで創り上げていきます。

永く社長業をやっていると、判断に迷うような場面に何度も出くわすことがありますし、時には、断腸の想いで決断をしなければならない瞬間だってあります。しかし、そんな時こそ、「経営計画」が社長業の実務を助けてくれるのです。つまり、社長自らの手で「経営計画」を作っている会社の社長は、目指すべきゴールが明確な分、本質的な部分に関する経営判断にブレがないのです。

人間は面白いもので、「目的」や「目標」を明確にすると、それに沿って歩もうとする生き物です。したがって、社長だけでなく、社員全員が一丸となって自社が目指すべきゴールに自然と近づいて行っていきますし、当然ながら、「財務」も日々強化されていきます。つまり、「経営計画」は、常に自社の原点を思い出させてくれるものであり、経営判断に迷った時は、常に選ぶべき道を照らしてくれるいわば灯台のような役割があるのです。

その一方で「経営計画」がない会社の社長は、いつも経営判断が場当たり的です。クチでは「強い財務にしたい」といいつつも、実際の経営判断を見てみると、財務を棄損するような打ち手ばかりを続け、財務が強くなるどころか、社長自身が知らず知らずのうちに財務を悪化させていたりするものなのです。

あなたの会社には、「財務」を強くする「経営計画」がありますか?
あなたは社長として、どんな会社の「未来」を描いていますか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛

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