【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 事業承継

あなたも「事業は順調なのに、お金が残らない…」「銀行借入が思うように減っていかない…」「経営判断に基軸がないから、迷ってしまう…」と悩んでいませんか?

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財務思考が事業承継の成功を左右する

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第402話:財務思考が事業承継の成功を左右する

「舘野先生、事業承継を進めているのですが、本当に大変で…。先代や親族の意見と、自分の計画のバランスをどう取ればいいのか悩んでいます。」とある関西地方の3代目社長さんからのご相談です。

当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関(社長と会社にお金が残る仕組みづくり)なので、全国各地より、同族会社の社長さんから会社経営にまつわるお金の悩みのご相談が寄せられます。

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誰もが通る後継社長にとっての最初の壁

当社にご相談に来られる方々は、2代目・3代目の後継社長さんや、自分で会社を始めた創業社長さんです。年代も30代から60代まで幅広く、会社の規模も1億円未満から300億円規模まで、実に様々です。

これは、「財務」という実務が年齢・業種・事業規模を選ばないことの表れだと言えるでしょう。

自ら会社を創業した創業社長さんは、ゼロから作り上げる苦労があります。一方、2代目・3代目の後継社長さんには別の課題があります。それは、親から受け継いだ会社の仕組みを見直すことです。

なぜなら、あらゆる面において、時代遅れの会社になっている可能性があるからです。それに、受け継いだ会社の経営基盤が、必ずしも強いとは限らないからです。

事業承継の対策に「早すぎ」はない

多くの社長さんは、売上を増やすことばかりに目を向けがちです。事業承継の際、先代社長や親族が売上至上主義の考え方だと、後継社長も売上至上主義の考え方で経営を引き継いでしまうのです。

結果として、過去のやり方から脱却できず、時代の変化に対応することができなくなります。その結果、あらゆる対応が後手後手に周り、最終的には、借入依存・資金不足・赤字体質の会社になってしまいます。

本当に大切なのは、今の経営状況を、後継社長自身がしっかりと把握した上で、事業承継を進めることです。

具体的にまず取り組むべきことは、お金の流れを把握して、適切に管理することです。お金の管理は、会社の未来を左右する最も重要な経営の実務です。そして、お金の管理の実務とは、財務と言います。

それを疎かにしていては、どんなに頑張っても、思うような結果が得られません。

例えば、売上は増えているのに利益が出ない、資金繰りに困る、といった状況に陥ることがあります。これは、会社のお金の管理が適切に行われていない、つまり、財務の機能が会社に存在していない「財務不在経営」の表れです。

また、「財務不在経営」の場合、事業拡大のチャンスを逃したり、あるいは無理な拡大で会社の体力が奪われることもあります。これらも、お金の管理、つまり「財務不在経営」だと起こりやすい問題です。

財務の実務をしっかり行うことで、こうした問題を未然に防ぎ、会社の成長を支える土台を作ることができるのです。

それは、社長にとっても、従業員にとっても、大きな安心につながります。

後継社長主導の事業承継戦略が成功のキーポイント

売上至上主義のまま事業承継してしまうと、お金が足りないのに無理に税金対策をしたり、借金の金利を下げようとして返済期間を短くしたり、間違った経営判断をしてしまいます。

節税対策や金利の引き下げなどは、一見良さそうに見えますが、ただ「先代がやっていたから」とか「みんながやっているから」という理由だけで継続するのは、自滅行為につながります。

大切なのは、目的を明確にすることです。その上で、後継社長自身が目指す未来の姿を数字で具体的に描き、そこから逆算して行動することです。

時には、結果的に先代社長のやり方を否定することだってあります。なぜなら、会社を未来に向かって発展させていくためには、必要に応じて、過去のやり方を変えていく必要があるからです。

あくまでも、会社の未来は、後継社長自身が作り出すものなのです。

財務は、社長と会社にお金が残る仕組みを作ること。この大切さに早く気づいた社長から、会社の未来が変わっていきます。

ダイヤモンド財務の社長は、財務思考を持って、事業承継を行います。お金の流れを把握し、自分の目指す会社の未来を自ら考え、そのために必要なことに取り組みます。

ガラス財務の社長は、先代からのやり方をそのまま引き継ぎます。うまくいっていたことをそのままやるだけなので、いずれ壁にぶつかり、資金も枯渇します。

社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。

あなたは今、社長としてどんな未来をつくりたいですか?

 

ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛

 

 

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