【専門コラム】ダイヤモンド財務®の着眼点 経営計画

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賞与支給に頭を悩ませる社長の共通点

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第399話:賞与支給に頭を悩ませる社長の共通点

「舘野先生、今年の夏の賞与は経営計画の通り、昨年よりも多めに支給できました。賞与支給の条件を明確にしたことで、従業員が頑張ってくれたおかげです。」とある北陸地方の2代目社長さんからの嬉しいご報告です。

当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関(社長と会社にお金が残る仕組みづくり)なので、全国各地より、同族会社の社長さんから会社経営にまつわるお金の悩みのご相談が寄せられます。

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賞与は払って当たり前、という誤解

毎年、夏と冬の時期恒例でご相談いただくテーマが「賞与」についてです。昨今は賞与の考え方が変わってきており、「業績や貢献度に応じて支給する」という考え方にシフトしてきています。

ただし、まだまだ多くの会社では、社長は「賞与は当然、支給するもの」と考えていますし、従業員さんは「賞与は当然、もらえるもの」という状態でしょう。

そのため、「賞与」という名目であっても、実質的には、給与の一部として考える必要があります。しかし、財務中心の会社づくりが出来ていなかったり、経営判断の基軸を持ち合わせていなかったりする会社ほど、「賞与をどうしよう…」と毎年、頭を悩ませています。

ただし、悩む以前の問題として、定期賞与への向き合い方、つまり「賞与支給は当たり前…」という前提でそもそも良いのか、という視点を持つことも重要です。

なぜなら、賞与を払うことで経営を圧迫し、会社が倒産するようなことになってしまっては、元も子もないからです。

賞与はあくまでも「結果」への見返り

会社の業績が良くても悪くても、「賞与は、払って当たり前…」という前提での会社経営になれば、会社の未来はどうなるでしょうか。

もちろん社長は、従業員さんの雇用を維持し、従業員さんやその家族の生活を守るためにも、賞与を払ってあげたい…という気持ちを持っているでしょう。その気持ち自体は、とても素晴らしいことです。

しかし、頑張っても頑張らなくても賞与が支給されるなら、従業員さんの立場になったらどう感じるでしょうか。業績が良くても悪くても、同じ金額が支給されるならば、ほとんどの人は楽な方を選びます。

また、赤字続きの会社なのに、賞与を支給し続けているという事実を、金融機関はどう捉えるでしょうか。財務の知識がない経営者だと判断されてしまうでしょう。

あるいは、自分の会社の財務を他人事のように捉えている、当事者意識のない社長だと受け止められる可能だってあります。

もちろん、社員の頑張りに報いるという気持ちは大事ですが、社長の仕事は、事業継続のためにしっかり利益を出してお金を残すことで、会社を潰さないことにあります。

つまり、大切なのは社長自身が「賞与は結果への見返りである」という認識をちゃんと持つことです。そして、その認識を従業員さんとしっかりと共有することです。

ここで重要なことは、「業績が良ければ、賞与を払える」という事実をお伝えし、賞与支給の基準を明確することです。当然ですが、「業績が悪ければ、賞与は払えない…」という、当たり前の話をちゃんとすることも必要です。

経営計画を作って、共有することが大切

ここで必要となるのが、社長自らが数字で具体的に「経営計画」を作成することです。そして、その経営計画を従業員さんに共有し、しっかりと説明しておくことです。

この時、社長自身はもちろん、従業員さんにも繰り返し説明しておく必要があるのが、「売上」ではなく「利益」の概念です。

賞与の源泉となるのは、あくまでも利益です。税金の支払いや、借入金の返済・万が一に備えての内部留保など、これらを払った上で賞与の支給基準である利益を出しましょう。

そして、従業員さんにも、「売上」ではなく、「利益」が大切であることと、会社に必要なお金から逆算した利益の目標をしっかりと説明することが大切です。

なぜなら、従業員さんからすれば「利益」と聞くと、

「なぜ、その利益は、自分の給与に上乗せされないのか?」

「その利益は、いったい誰の手元にいくのか?」

という疑問が必ず沸きます。ここを想定し、あらかじめ利益は、借入金の返済や税金の支払いなどで消えてしまうという説明をしておかないと、「自分たちが頑張っても、社長だけが裕福になっている」と誤解されてしまいます。

特に同族会社の場合は、仕事だけではなく私生活でも付き合う機会も多いでしょう。そのため、少し高い買い物をすれば、目に付きます。

そういった小さな不満が溜まり、いつかは爆発することになってしまうのです。

ダイヤモンド財務の社長は、経営計画を立てる時に、賞与の支給基準を明確にします。従業員も目標に向かって頑張ってくれるので、賞与の支給が経営の安定に繋がります。

ガラス財務の社長は、経営計画がないので、賞与が赤字の垂れ流しになります。曖昧な状態で賞与を支給するので、社長も従業員も不満が溜まっていきます。

社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。

あなたは今、社長としてどんな未来をつくりたいですか?

 

ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛

 

 

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舘野 愛

この記事の監修・執筆者

舘野 愛(Tateno Ai)

ユメリアコンサルティング株式会社 代表取締役

同族会社専門 ダイヤモンド財務®コンサルタント

法政大学経営学部卒業後、中央青山PwCコンサルティング株式会社、税理士法人みらいコンサルティングを経て現職。財務顧問部の責任者として数多くの同族会社の支援(経営財務・事業承継・企業再生など)に従事。ある同族会社の倒産を目の当たりにした経験から、「財務は会社と社長一族の命運を左右する」と痛感し、日本初の同族会社専門コンサルティング会社を設立。

20年以上にわたり1,300人以上の同族社長を指導。売上や借金を増やさずに1年で手元資金を2倍にした事例や、実質無借金経営の実現、相続税の9割圧縮など、あらゆる角度からお金の悩みを解決する「ダイヤモンド財務®」プログラムを開発・指導している。2017年・2020年には「日本の専門コンサルタント年鑑」で厳選実力者として紹介される。

■ 保有資格

  • 税理士(東京税理士会・登録番号109556号)
  • AFP(認定番号51535999)
  • プロコーチ(GCS認定コーチ・認定番号1406SJ0951)

■ 著書・執筆実績

  • 『社長と会社にお金が残る仕組みの作り方 ダイヤモンド財務戦略』(エベレスト出版)
  • 『同族会社のためのダイヤモンド財務3つのポイント』(日本コンサルティング推進機構)
  • 『企業再編・組織再編入門』(日本実業出版社・共著)

■ メディア掲載・出演実績

  • 日本経済新聞:書籍「ダイヤモンド財務戦略」掲載(2025年12月)
  • 日本歯科新聞(アポロニア21):特集インタビュー掲載(2025年9月)
  • 近代中小企業:3ヶ月連続連載「社長がお金の落とし穴にハマる理由」ほか(2019年)
  • その他:東京商工会議所(東商社長ネット)、海外投資新聞、FM-FUJIなど多数

■ 講演実績

  • 主催セミナー:「新春三大経営戦略」特別セミナー(2026年1月)
  • 商工会議所:岡山、千葉、宇都宮、新潟、富山黒部、群馬渋川、埼玉浦和など全国多数
  • その他:中小企業家同友会(町田、荒川)、民間企業など多数